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「舞妓の実態」告発が柴咲コウ、上白石萌音らの「舞妓作品」にも飛び火“美化”演出への非難轟々
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.06.30 17:20 最終更新日:2022.06.30 17:25
「芸妓や舞妓の方々が適切な環境のもとで、芸妓や舞妓としてご活動いただくことが重要であると考えております」
後藤茂之厚生労働大臣までもが6月28日の記者会見でこう言及したのは、6月26日に「元・舞妓」を名乗る女性のツイートが発端だ。
女性は、京都のいわゆる「花街」と呼ばれるお茶屋や置屋が集まった地域で舞妓をやっていたとして「16歳での飲酒強要」「客との混浴の強要」「住み込みで無給」などがあったと告発している。
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さらに女性は 《私は5000万円で処女を売られそうになった。そしてそのお金、舞妓自身は貰えない》 と、人身売買のようなやり取りまでおこなわれているとツイートしている。
労働基準法に照らし合わせれば、18歳未満の年少者を、夜10時以降の深夜に労働させることは違法。もちろん20歳未満での飲酒も違法だ。
しかし、後藤大臣は「一概にお答えすることはできない」と話し、置屋などが労働基準法上での事業場かどうかを明言することは避けた。
「伝統文化」の名のもとに人権を脅かすような行為がなされていたとする、この告発を受け、京都の花街には、厳しい批判が上がっている。
そして、その批判は舞妓を題材にした作品にも飛び火し始めたのだ――。
2000年以降、話題になった映画作品で思い起こすのは宮藤官九郎脚本作品の『舞妓haaaan!!!』(2007年)だ。阿部サダヲ演じるサラリーマン・鬼塚が京都の花街で舞妓を追いかけ続けるというコメディ映画で、鬼塚に捨てられた彼女(柴咲コウ)が、見返すために舞妓になるという描写もある。
2014年に公開されたのは、上白石萌音が主演の『舞妓はレディ』。こちらは周防正行氏が監督を務めたミュージカル風の作品で、地方からやってきた主人公が、立派な舞妓を目指すという物語だ。
どちらも花街が「華やかな世界」として美化して描かれた映画だったが、その演出に対して、インターネット上では非難の声が上がっている。
《前に舞妓Haaaanってコメディ映画あったけど、舞妓さんの世界の暗部に全く触れずにポップに消費されててすごい違和感あった。》
《「大人の遊び」とか「嗜み」とか、聞いて呆れる。こういう人の発信で「悪い習慣だけ」消え去ってほしい。『舞妓Haaaan!!!』とか作った人も、それに影響を受けた人もどう思ってるんだろう》
《邦画『舞妓はレディ』も、京都人は皆うすうす知っていたという書き込みもあるし、制作者は花街のそういう面も知っていて、ああいう映画を制作したのなら、未成年の性を貪る業者の共犯みたいなもんじゃないのか?》
また、芸能記者は今後、公開される「舞妓作品」についても言及する。
「配信大手『Netflix』で、2022年中に世界配信予定のドラマ『舞妓さんちのまかないさん』です。あの是枝裕和氏が総合演出、有名プロデューサーの川村元気氏が企画で携わる大型作品です。
森七菜さんと出口夏希さんのダブル主演で、花街で舞妓が共同生活を営む『屋形』のまかない(調理人)を森さんが、将来を期待される舞妓を出口さんが演じます。
ほかにも橋本愛さん、松岡茉優さん、常盤貴子さんなどが芸妓や花街の関係者として出演すると発表されています。アニメ版はNHK Eテレで放送され、たいへん好評でした」
インターネット上でも『舞妓さんちのまかないさん』への影響を心配する声が上がっている。
《これから舞妓さんちのまかないさんが実写で配信されるって時にこれは… 大丈夫かな、心配だな、》
《舞妓さんちのまかないさんが叩かれないか心配ダス…》
《是枝さんの舞妓さんちのまかないさんは、舞妓の問題も描くのかな。。》
現実の問題に向き合って、作品を作ることがよりいっそう求められそうだ。
( SmartFLASH )