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安倍元首相に両陛下がお花を 「譲位」特例法成立への尽力に宮内庁も「感謝」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.07.12 14:45 最終更新日:2022.07.12 14:45
7月11日、東京港区の増上寺で安倍晋三元総理の通夜が営まれた。通夜は午後6時から始まり、岸田文雄首相ら約2500人が参列した。
宮内庁は、天皇皇后両陛下が香典にあたる祭粢(さいし)料、お供えの品と一対のお花を贈られ、名代として侍従を派遣したことを発表した。侍従は、安倍元総理の棺の前で焼香したという。
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同じ日におこなわれた宮内庁の定例会見で、池田憲治次長は両陛下について「たいへん残念に思い、心を痛めておられ、ご遺族のみなさまの悲しみを案じていらっしゃるのではないかと拝察している」と述べた。上皇ご夫妻についても「お悔やみのお気持ちをお持ちであると拝察している」と話した。
約200年ぶりとなる天皇の「譲位」がおこなわれたのは、安倍元首相が在任中の2019年のことだった。
2016年7月、NHKが「天皇陛下『生前退位』の意向」をスクープすると、8月には当時の天皇陛下(現・上皇陛下)自らご意向を示すビデオメッセージが、宮内庁から公表された。これで、譲位は一気に国民の注目を集めることになった。
日本国憲法では「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。」と定められている、天皇の地位。当然ながら、世論は賛成・反対に大きく分かれた。
「当時のアンケート調査では、8割以上の人が譲位に賛成という意見でした。しかし、摂政制度を使うべきだという保守派の専門家など、根強い反対派もかなり多かったのです。
当時の安倍首相は有識者会議を設置して、法整備や制度設計などを取りまとめ、2017年6月には一代限りで退位を認める特例法を成立させました。ナイーブな課題であり、非常に高いハードルと思われた案件でしたが、これをわずか1年足らずで実現できたのは、8割以上が賛成という強い『民意』に加え、安倍首相の尽力、強いリーダーシップがあってこそでしょう」(政治部記者)
池田次長は「(宮内庁としては)安倍元総理が、上皇さまからの皇位継承がつつがなくおこなわれるように、退位特例法の制定や即位に係る一連の儀式、行事の円滑な実施にご尽力いただいた」として、「感謝を申し上げておりますし、このたびの逝去にあたり、ご冥福をお祈りしたいと思います」と述べた。
今回の事件に、皇室も深い悲しみに包まれている。
( SmartFLASH )