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旧統一教会 韓鶴子総裁の高齢化で上がる“跡目争い”の火種…息子たちが続々追放で後継者は孫か直属秘書か

社会・政治 投稿日:2022.08.09 06:00FLASH編集部

旧統一教会 韓鶴子総裁の高齢化で上がる“跡目争い”の火種…息子たちが続々追放で後継者は孫か直属秘書か

故・文鮮明氏(左)と韓鶴子氏(写真・共同通信)

 

「魔女のような詐欺女! 韓鶴子(ハン・ハクチャ)バビロン。アボニム(お父様=文鮮明氏)の敵たち!」

 

 6月25日、東京都内で開かれたのは、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の創立者・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の七男で、現在は「サンクチュアリ教会」の指導者となっている文亨進(ムン・ヒョンジン)氏(42)の十数年ぶりの来日を歓迎する式典だった。

 

 

 集会に潜入したジャーナリストの藤倉善郎氏が明かす。

 

「会場内では、ときおり冒頭のように統一教会の韓鶴子総裁を名指しして非難の声が上がり、これに対して統一教会の信者と思しき4、5人が『お母様(韓鶴子氏)を悪く言うな』と声を上げ、会場の外につまみ出されていました。日本サンクチュアリ協会の江利川安栄会長や文亨進氏が登壇し、韓鶴子氏を『サタンと通じ堕落した』と非難したほか、文鮮明氏の四男・文國進(ムン・クッチン)氏(52)も参加していました」

 

 文亨進氏が統一教会から分派し、母・韓鶴子氏と対立するきっかけとなったのが2012年、教祖・文鮮明氏の死だ。統一教会に詳しいジャーナリスト・鈴木エイト氏が語る。

 

「文鮮明氏の死後、莫大な遺産をめぐって後継者争いが繰り広げられ、息子たちが次々に離反し、妻である韓鶴子総裁の独裁体制となったのです」

 

 文鮮明氏が生前、最初に跡を継がせようとした韓鶴子氏との長男・文孝進(ムン・ヒョジン)氏は、宗教に興味がなくヘヴィメタルの道へ進み、その後、心臓麻痺で死亡している。次男も、交通事故で早逝した。

 

 そこで抜擢されたのが、三男の文顕進(ムン・ヒョンジン)氏(53)だった。だが顕進氏は、統一教会の宗教色を薄め、社会運動を志向。父親の逆鱗に触れて追放される。

 

「文鮮明氏の存命中に、四男の文國進氏が経済部門『統一教財団』を受け継ぎ、七男・文亨進氏が宗教部門『世界宣教本部』を統括していました。しかし、文鮮明氏の死後、相次いで韓鶴子氏から要職を解かれたのです」(鈴木氏)

 

 息子たちは統一教会と母・韓鶴子氏に対抗するため、それぞれ分派を作った。

 

「三男・文顕進氏は、2010年に教団の資産管理団体UCIを手中に収め、2017年にはFPA(世界家庭教会)を創設。七男・文亨進氏は2015年にサンクチュアリ教会を設立し、文鮮明氏から銃砲会社を受け継いだ四男の文國進氏が同教会を経済的に支援しています」(同前)

 

 そして現在、新たな“お家騒動”の火種があるという。

 

「韓鶴子総裁は79歳という年齢もあり、糖尿病などの影響で一人で歩けない状態だともいわれています。もしもの事態になれば、後継者争いが再燃するでしょう」(同前)

 

 宗教部門の後継者は、統一教会ナンバー2のポジションとされる世界会長を務めた五女の文善進氏とされてきた。だが、それは表向きだという。

 

「文善進氏は2019年に世界平和女性連合主席副会長に降格となっており、実際には韓鶴子氏直属である総裁秘書室長の鄭元周(チョン・ウォンジュ)氏と、秘書室事務総長兼秘書副室長の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)氏という非血縁者の2人が、全グループの実権を握り、主導権を争ってきました」(同前)

 

 2人の主導権争いが決着したのが、2020年におこなわれた「天の父母様聖会」だった。

 

「このとき韓鶴子総裁は、尹鍈鎬氏を宣教本部の本部長に任命しました。尹鍈鎬氏が鄭元周氏を追い落とした格好です。彼が後継者となれば、文鮮明氏の縁戚以外の人物として初めてトップとなります。信者の反発を避けるため、尹鍈鎬氏自身か彼の子供が韓鶴子氏の養子になるのではないかともいわれています」(同前)

 

 さらに、統一教会問題を追及してきた渡辺博弁護士は、後継者候補に文鮮明氏の孫にあたる文信興(ムン・シンフン)氏(21)を挙げる。

 

「文鮮明氏の亡くなった長男の息子で、韓鶴子氏が彼を後継者にしたがっているのです。自分の子供は誰も言うことを聞かないから、自分の意のままになる孫を後継者にしようというのです」

 

 霊感商法の実態は白日の下に晒されたというのに、勃発した跡目争い。まだ“うまみ”はたっぷり残っているのだろう。

 

( 週刊FLASH 2022年8月23日・30日合併号 )

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