社会・政治
【写真あり】東北・北陸大水害 家屋が大破した凄惨現場…被害を広げた街に繋がる「道」の存在
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.08.10 06:00 最終更新日:2022.08.10 06:00
8月3日から日本各地を襲った“豪雨”ーー。短時間での大雨を引き起こす「線状降水帯」が各地で発生し、大きな水害被害をもたらした。
「55年前の豪雨で甚大な被害が出たからダム(大石ダム)を造ったんだよ。それなのに……自然は恐ろしいね」
【関連記事:桜島噴火で囁かれる「『ブラタモリ』の呪い」じつは「防災教育に役立つ」番組ゆえの理由があった】
新潟県村上市の小岩内に住む70代の女性は、こう残念がった。同地区の東に位置する関川村は4日朝6時時点で、24時間の降水量が560mmを記録した。これは、これまでの同村の観測史上最大の2.6倍超だ。
関川村に通じる幹線道路は、土砂などで完全に通行止めに。小岩内にも甚大な被害が出た。
「(近くを流れる)荒川が大きく氾濫したわけじゃなかったけど、山に含まれた水が“鉄砲水”となって、土砂や流木を流し落としてきたのよ」(同前)
地区内の被害は、ほとんどが土砂災害。大量の土砂が流れ込んだ家屋は原形をとどめないほど、大破していたのだ。
小岩内から荒川の下流方面にあるJR羽越本線の坂町駅周辺も、大きな浸水被害に遭った地域だ。しかし、そこから少し離れた荒川沿いの地域は、駅周辺ほど被害は出なかったという。坂町駅周辺にある飲食店の店主はこう話す。
「ここらの浸水は荒川の氾濫ではなく、支流として流れる“小川”が溢れたことによる被害ですよ。小川の上にかかる道路が一本道で街に繋がっていて、その道路上を水が流れてきて、あっという間に水没した。うちの店でも最大120cmくらい浸水して、営業再開はまったく見通せません……」
“鉄砲水”や“道路上の冠水”は、石川県小松市での取材でも聞かれた。小松市中海町では広く浸水し、街中に土砂が流れ込む被害が出た。その上流の「中ノ峠隧道」近辺の集落では「山の保水量をオーバーしたかのように水が溢れ出てきた」という証言もあった。
中海町の“泥被害”も、山から流れ出た土砂が道の脇を流れるU字溝に詰まり、排水できなくなった水が道路上に溢れ、流れてきたからだという。
ふだんは生活を助ける「道」の存在が、命運を分けたのかもしれない。