野党やメディアへの批判動画を繰り返し投稿していた匿名Twitterアカウント「Dappi」。立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が、発信者として開示されたWEB制作会社と社長らに対し、880万円の損害賠償を求めた民事裁判の第5回口頭弁論が、8月22日、東京地裁であった。
これまでの裁判で、WEB制作会社側は、手の込んだ投稿が「1人の従業員による私的なもの」と主張。
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だが、小西氏ら原告側は、Dappiの投稿が平日の日中に集中し、終わったばかりの国会質問が短時間で文字起こしされ投稿されていると指摘。この日の弁論では、「10分から20分で投稿できるという主張は、国会を閲覧する時間を無視したもの。投稿は、国会を終日、見ないとできない内容だ」と述べた。
また、原告側は、就業時間に会社のパソコンで仕事と無関係な投稿をしているのに、周りの従業員が誰も気づかない不自然さも指摘したが、WEB制作会社側は、会社の業務について「テレワークにより出社は平均2〜3人」とする書面を提出。ただ、問題の従業員の業務内容や社内の座席位置の詳細、名前などは明らかにしなかった。従業員はいまも在籍中だという。
「フォロワー数17万人以上と、拡散力の大きい『Dappi』は、2019年6月以降、国会質疑の動画や保守系のインターネット番組の動画とともに野党議員の発言を批判したり、与党議員を評価したりする投稿を繰り返していました。
両議員側は、『Dappi』について、
(1)平均1日6件のツイートを継続している
(2)投稿時間が平日午前9時または午後10時に集中し、土日はほとんど投稿がない
(3)動画の編集や文字起こしなど、一定の作業が必要な投稿がほとんどである
として、このWEB制作会社がアカウントを運営・管理し、投稿者はこの会社の『役員、従業員または同社から業務委託を受けた者と推認される』と主張しています。
このWEB制作会社の得意先の一つは自民党であり、政党支部や大臣経験者との取引も確認されています。ただ、裁判でWEB制作会社側は、会社としての投稿への関与を一貫して否定しています」(社会部記者)
原告の小西議員は、8月22日の口頭弁論後、自身のTwitterでこう疑問を呈している。
《Dappi裁判において被告企業は「動画は10〜20分で作成可能」と主張しているが、国会議員の質疑を全く違う内容に改変するための作業が、たった一人で、そのような短時間で出来る訳がない。そもそも、質疑を視聴するだけで一時間余り掛かるはずだ》
SNS上では、今回の報道を受け、さまざまな声が投稿されている。
《問題はそれをあれだけの期間継続して勤務時間内限定でコンスタントにやり続けること。それは「仕事」でもないとやれないこと》
《なんで就業時間中に投稿を我慢できないdappiが、就業時間外や土日にはほとんど投稿をしないのか? これに尽きる》
《1日で複数の番組・国会質疑を全て視聴し、一部分をネット上に何本もあげるのを1人で誰にもバレずに実行可能だと?》
《Dappiさんの切り抜き動画作成スキルが高いからと言って、組織ぐるみだという証明にはならないと思うんだけど》
《dappiさんを貶す気はさらさらないですが、彼のツイートしている動画は著名サイトで配信されている動画を特に編集せず字幕を入れるなどもなく、純粋に切り抜いているだけなので、ちょっと調べれば(IT関係に通じている人間なら造作も無く)スマホで出来るレベルの切り抜きですよ》
WEB制作会社側は主張を貫くのか。次回の口頭弁論の期日は9月30日の予定だ。
( SmartFLASH )