9月2~4日、読売新聞社が実施した全国世論調査で、安倍晋三元首相の国葬を実施することに、「評価しない」が56%(前回調査46%)で、「評価する」の38%(前回49%)を逆転した。
8月20・21日に毎日新聞と社会調査研究センターが実施した全国世論調査では「反対」53%、8月27・28日に朝日新聞が実施した全国世論調査での「反対」50%に続き、世論の半分が国葬に反対していることとなった。
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8月31日、岸田文雄首相は記者会見で、安倍元首相の国葬について、「国民の間にさまざまな意見があることは承知している。正面から答える責任がある」などと説明したうえで、「閉会中審査はテレビ中継が入るので、そうした場で見える形での説明の機会をいただきたい」として、9月8日開催に向け、与野党で調整が続く国会の閉会中審査に出席する方針を示している。
「岸田首相は記者会見で、安倍元首相の国葬をおこなう理由として、『憲政史上最長の8年8カ月にわたり重責を務めた』『内政や外交で大きな実績を残した』『国内外から哀悼の意が寄せられている』などの理由をあげましたが、読売の世論調査を見れば、国民が首相の説明に納得していないことが見てとれます。
閉会中審査の焦点は、やはり国葬にかかる費用の全体像に移っています。政府が支出を決めた約2億5000万円の費用のほか、会場周辺の警備や国葬に参列する外国要人の接遇にかかる経費なども含めた大枠です。
ただ、松野博一官房長官が9月2日の記者会見で『国葬後に精査して示す』とした以上、首相が国会で費用について説明できるわけもなく、同じ答弁を繰り返さざるをえない。国葬には『100億円以上かかる』という声もあり、仮に費用の大枠を示せばいっそうの反発を招きかねません」(政治部記者)
SNS上では国葬への賛否両論があふれるが、なにより岸田首相の説明不足を批判する声が多い。
《この人たちの「丁寧な説明」というのは「同じ説明を繰り返す」だけなので、おそらく何も前に進まない》
《どうせ閉会中審査に出ても、説明にならない言葉を並べてやった感だけ出すんでしょう》
《”国家を挙げて“実施する国葬の経費を説明していない。こりゃ、国会の閉会中審査は、総理に対する集中砲火で炎上しそうだ》
このままでは、テレビカメラが入った閉会中審査で岸田首相が火だるまになったうえ、さらに国民の怒りに火をつける事態になりかねない。
( SmartFLASH )