社会・政治
元文科大臣がアドバイスした「失言しないための6カ条」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.05.24 16:00 最終更新日:2017.05.24 16:00
(写真:AFLO)
「(ガン患者は)働かなくていい」とのヤジを飛ばした大西英男衆院議員が、5月22日、党本部で謝罪、翌日、失言の責任を取って都連副会長を辞任した。
ヤジが飛び出したのは、自民党の「受動喫煙対策」に関する会合。批判を受け、ブログで「私は父母をがんで亡くしました。(中略)がん患者の皆様を差別しようなどという気持ちは頭の片隅にもありません」などと弁解したが、結局、辞任する羽目になった。
大西氏は、問題発言の多さで知られている。
2014年4月には「子供を産まないと駄目だぞ」、2015年6月には「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番だ」、2016年3月には「巫女(みこ)さんのくせになんだ」などと毎年1回は失言している。
これまでも多くの政治家が失言し、謝罪や辞任に追い込まれてきた。ここで政治家の失言史をまとめてみよう。
1950年には、池田勇人が「中小企業の5人や10人の破産、自殺はやむを得ない」と発言、さらに別の機会に「貧乏人は麦を食え」と言って、大問題となった。
1953年には、吉田茂が社会党議員に対して「バカヤロー」とつぶやいた。これがきっかけで衆議院が解散され、「バカヤロー解散」と呼ばれている。
1971年には、青島幸男が佐藤栄作首相に向かって「財界の提灯持ち、財界の男メカケ」と揶揄し、翌年、佐藤栄作首相は「偏向的な新聞は大嫌い」と語って首相を退陣した。
1988年には渡辺美智雄がアメリカ人の経済観念について、「むこうの連中は黒人だとかいっぱいいて『うちはもう破産だ。明日から何も払わなくていい』それだけなんだ。ケロケロケロ、アッケラカーのカーだよ」と述べている。
2000年代では、
「日本は天皇中心の神の国」(2000年、森喜郎)
「集団レイプする人は元気があっていい」(2003年、太田誠一)
「女性は子供を産む機械」(2007年、柳澤伯夫)
「暴力装置である自衛隊」(2010年、仙谷由人)
などが有名だ。
2017年は失言が多く、
「(台風の復興で)長靴業界はだいぶ儲かった」(務台俊介)
「震災が東北だからよかった」(今村雅弘)
「一番のがんは文化学芸員」(山本幸三)
などが続いている。あまりの失言の多さに、今年4月27日、自民党の伊吹文明・元衆院議長が、失言しない極意を伝授している。それは「6つの『た』」なのだという。
・「立場」をわきまえる
・「多人数」の前は要注意
・自分が「正しい」と思うことを話す際は危ない
・「他人の批判」は、自分に跳ね返ってくることも
・「たとえ話」は誤解を受けやすい
・「旅先」ではつい舌が滑る
伊吹氏は元文科大臣だけにわかりやすいアドバイスだったが、残念ながら、その教育的指導は届かなかったようだ。