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なぜ? グーグルが世界中から金をむしり取られる…EU制裁金5900億円、韓国は課徴金100億円
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.16 14:57 最終更新日:2022.09.16 15:01
欧州司法裁判所は、9月14日(現地時間)、グーグルに41億2500万ユーロ(約5900億円)の制裁金を科す判決を出した。独占禁止の制裁金としては、過去最高額とみられる。
EUは、グーグルがアンドロイドスマホのメーカーに対し、グーグル製のアプリを使用するように強制し、競争を抑制しているとし、43億4300万ユーロ(約6210億円)を請求していた。グーグルは上訴する可能性がある。
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グーグルに対する訴訟はこれだけではない。オンライン広告をめぐり損害を受けたとして、イギリスとオランダでグーグルに賠償を請求する訴訟が近く予定されていることが明らかになっている。
訴訟を準備しているのは、メディア企業から依頼された欧州の法律事務所で、損害額の見積もりはなんと250億ユーロ(約3兆6000億円)というから、もし敗訴した場合、かなりの額となりそうだ。
ヨーロッパだけではない。韓国の個人情報保護委員会は9月14日、グーグルとメタ(旧フェイスブック)に合わせて1000億ウォン(約100億円)の課徴金を科すことを決めた。ユーザーの同意なく個人情報を収集し、広告に使用したことが個人情報保護法に違反した、とされている。
このように、グーグルに対する訴訟が相次いでいるのはなぜなのか、ITジャーナリストの法林岳之氏に聞いた。
「グーグルという存在が、あまりに大きくなり過ぎたということでしょう。欧州で制裁金の判決が出たのは、アンドロイドに関して、グーグルの支配的立場を問題視したためです。
具体的には、アンドロイドOSを使う場合、『Google Playストア』以外からアプリをインストールできないようになっていることや、検索エンジンやブラウザなど、バンドルの強制が違法とみたわけです。
また、『Google Playストア』を通してアプリを販売する際、手数料として最大3割がグーグルの収入となることも、以前から問題視されており、この判決にも影響していると思われます。
5900億円という制裁金は巨額ですが、グーグルという超巨大企業ならば十分に支払い可能で、これで何かが大きく変わることもないでしょう。ユーザーにもすぐに影響が出ることはない。
また、イギリスやオランダでの訴訟準備の件、韓国の件もそうですが、これはグーグルの広告事業に関する問題です。
その人が検索したキーワードに合わせて、商品の広告が次々と出てくることは、みなさんご存じだと思います。そのシステムが個人情報保護の観点などから問題ではないかと指摘する声が、ここ1、2年で増えているのです。
そうした機運が高まっているなかで、こうしたニュースが相次いでいるのではないでしょうか」
グーグルの親会社「アルファベット」の2021年の年間売り上げは、753億ドル(約10兆円)にもなる。あまりの数字のデカさに、頭がグルグル……。
( SmartFLASH )