社会・政治社会・政治

国葬目前・各局が放送態勢を発表「教団の“内部固め”に利用されかねない」霊感商法対策の弁護士が抱く危惧

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.21 19:22 最終更新日:2022.09.21 19:33

国葬目前・各局が放送態勢を発表「教団の“内部固め”に利用されかねない」霊感商法対策の弁護士が抱く危惧

山口広弁護士

 

「反対」「中止」という投稿が連日、ハッシュタグつきでツイートされる安倍晋三元首相の国葬。開催を目前に控え、テレビ各局の放送予定が発表された。

 

 9月27日14時の開式に対し、「特別編成」で臨む局も多い。フジテレビは13時45分~15時45分に「FNN特報 安倍晋三元首相『国葬』」を放送。テレビ朝日は10時25分から放送する「大下容子ワイド!スクランブル」を、通常13時までのところ「拡大SP」として15時48分まで延長する。NHKは13時40分~15時30分に「ニュース『安倍元首相 国葬』関連」を放送する。

 

 

 こうした各局の発表を受け、Twitterでは「#放送態勢」というキーワードがトレンド入り。《自分達で批判しておきながら放送して視聴率を稼ごうという浅ましさ》といった、メディアの「二重基準」への指摘が多く見られた。

 

 立憲民主党の小西ひろゆき参院議員は、放送法に言及して次のようにつぶやいた。

 

《TV各局は国葬を放送するなら放送法4条を守った番組編集を行う義務がある。 ・政治的に公平であること ・報道は事実をまげないですること ・意見対立の問題はできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること つまり、安倍氏や国葬への批判を十分に報道する必要がある》

 

 国葬の実施とその報道による影響について、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広弁護士も懸念を示す。

 

「まず私ども弁連は、個人個人の気持ちはありますが、とにかく旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の霊感商法の被害者をこれ以上増やさないことを目的として活動している団体で、政治的な発言は控えよう、というスタンスを取っています。

 

 そのうえで私見を述べれば、旧統一教会のなかではいま、安倍元首相は教団に協力してくれた立派な政治家で、霊界という死後の世界で光り輝いているということで、敬愛と尊敬の対象になっています。その安倍先生のために国葬がおこなわれ、政府や国民の少なからずの人たちが褒め称えれば、教団幹部は『それ見たことか』と言うはずです。やっぱり(現総裁の)韓鶴子さんに敬意を表するとおっしゃった安倍先生が、こうやって国からも、国民からも高く評価されているんだと、安倍先生も命を懸けて尽力されたのだから、地上天国実現のために頑張らないといけないと、信者たちが教え込まれるのは間違いありません。

 

 しかも、今後、信仰を続けるべきか迷っている信者たちも、見てごらん、国葬までやっているでしょと、旧統一教会の活動はこうやって認められているんだよ、否定されているならば国葬なんてやるわけないよねと、説得されてしまう可能性があります。銃撃事件で動揺している信者も、やっぱり頑張ろうかなと思いますよ。国葬が、教団の“内部固め”に利用されることを危惧します。

 

 メディアには、そうした問題に配慮して報道していただきたいと思います」

 

 元首相の不幸により、皮肉にも世に知られることになった旧統一教会の被害者たち。国葬が、その苦しみをさらに拡大することは、絶対に避けねばならない。

( SmartFLASH )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る