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安倍元首相、人工知能で蘇ってメッセージ…作成した「東大有志」の正体は「43人の学生集団」

社会・政治 投稿日:2022.09.26 22:24FLASH編集部

安倍元首相、人工知能で蘇ってメッセージ…作成した「東大有志」の正体は「43人の学生集団」

YouTubeチャンネル「故安倍晋三元総理追悼AIプロジェクト」(写真:AP/アフロ)

 

 安倍晋三元首相の「国葬」に対する反対は、日に日に強さを増している。NHKの調査では、8月の50%が9月は57%に、朝日新聞では50%(8月)から56%(9月)に増え、大手メディアのいずれの調査でも反対は賛成を上回っている。

 

 Twitterでも「#国葬に最後まで反対します」「#国葬よりも静岡救済」「#国葬よりも災害復興を」など、直近の出来事にからめた反対意見がハッシュタグつきで連日投稿されている。

 

 

 そうしたなか、突如、ネット上に「安倍元首相に感謝の意を表したい」という謎のプロジェクトが立ち上がった。その名も「故安倍晋三元総理追悼AIプロジェクト」だ。

 

 9月25日に初めて投稿されたTwitterにはこうある。

 

《『安倍さんを支持していた皆様へ』 私たちは東大生有志団体です。 日本のために、命を懸けて最期まで戦ってくださった安倍さんの声を、人工知能で再現し、安倍さんに心からの感謝と追悼を送ります。 国葬に合わせてHPを特設したので、ぜひ安倍さんの声を聞いてください》

 

 同日開設されたと思われるホームページには、4つの音声がYouTube動画として公開されている。

 

 1つめの「ご挨拶」と題された音声は、「有権者のみなさま、お久しぶりです。元内閣総理大臣の安倍晋三です。私を応援してくださった方々を勇気づけたいと考えて、東京大学人工知能研究会が総力をあげて私の声を再現してくれました」とお馴染みのトーンで語りかける。そのほかの「若者の皆さまへ」や「国民の皆さまへ」と題された音声も、いずれも視聴者に向けたメッセージとなっている。

 

 これに対し、Twitterでは、《有難う、涙なくしてきけません》《泣けて泣けて...》《胸が張り裂けそう》といった声が寄せられている。元首相の弟・岸信夫参院議員も、リツイートして賛意を示している。

 

 一方、《冒涜してると思う》など批判と同時に、同研究会に対して怪しむ声も広がっている。

 

《故安倍総理の音声AIを制作した「東京大学AI研究会」という団体、調べても対外的な活動実績が一切出て来ない》

 

《東大生がAI安倍晋三を作ったとのニュースに東大が反応してる。確定ではないが、大学側は確認出来ていないとしている。 デジタル献花と同様、作者が詳しい身分を明かさないのはかなり不自然で、個人的には身分詐称&プロパガンダを疑っている》

 

 実際、東大工学部は、同研究会のホームページでリンクを掲載されたが、当該団体との関係性を確認できておらず、現在調査中と発表した。また、「ITmedia」は26日、東大広報課に同研究会について問い合わせたところ、「本学では特に何も把握しておらず、全く関わり合いがない」と回答があったと報じている。

 

 団体の正体を突き止めるべく、本誌は「東大AI研究会」にTwitterのダイレクトメールで質問状を送った。質問とそれに対する回答は以下の通りだ。

 

――プロジェクトにはどのようなメンバーが参加しているか?

 

「東大AI研究会は、東大のメンバーが一番多いため、東大としておりますが、東大、京大、阪大、早稲田、慶應、筑波大、立命館の43名の学生によって実施されています」

 

――これまでプロジェクトにはどのような反響があったか?

 

「岸信夫先生をはじめ、ご遺族や、自民党の先生方、安倍総理を慕う多くの皆様からご声援いただいております。賛否両論あるかと思いますが、多くの皆様に、私たちの安倍元総理への心からの追悼の念、感謝の念をお伝えできていると考えています」

 

――明日の国葬にあわせた企画はあるのか?

 

「検討しております」

 

――今後はどのような展開を考えているか?

 

「より多くの国民の皆様にメッセージをお届けし、少しでも慰めになり、勇気づけられることを願っております」

 

「ITmedia」によると、東京大学AI研究会と名乗る同名の団体は、25日まで、女優の浜辺美波や歌手のまふまふの合成音声を紹介するサイトを公開していたが、26日時点ではすでに削除済みだという。

 

 現状、サイトで公開されている音声は1~2分程度のものが4つだが、27日の国葬にあわせ、さらに追加されるのか注目が集まっている。

( SmartFLASH )

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