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安倍元首相の国葬で流されたBGM・ベートーベン『田園』に隠された岸田首相への “忖度”

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.27 17:02 最終更新日:2022.09.27 17:04

安倍元首相の国葬で流されたBGM・ベートーベン『田園』に隠された岸田首相への “忖度”

国葬で挨拶する安倍昭恵さん(写真・JMPA)

 

 9月27日午後2時から始まった安倍晋三元首相の国葬。冒頭に流された生前をしのぶ映像は、安倍元首相が自らピアノ演奏する『花は咲く』から始まった。その後、御拝礼で陸上自衛隊中央音楽隊が演奏した『悠遠なる皇御国(すめらみくに)』も荘厳だと話題を呼んでいる。

 

 一方、会場となる日本武道館で、式が始まるまで流されていたBGMは以下のとおりだ。

 

 

●ドビュッシー『月の光』ベルガマスク組曲第3曲
●ベートーベン ピアノソナタ第8番『悲愴』第2楽章
●ドヴォルザーク 交響曲第9番『新世界より』第2楽章『家路』
●シューマン『トロイメライ』
●ショパン『別れの曲』
●ジュール・マスネ『タイースの瞑想曲』
●ジョルジュ・ビゼー『アルルの女 第2組曲 メヌエット』
●モーリス・ラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』
●マスカーニ 歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』
●グルック『精霊の踊り』
●モーツァルト『ラクリモーサ』
●ベートーベン 交響曲第6番『田園』

 

 これらはどのように選曲されたのだろうか。国葬実行委員会の関係者が語る。

 

「国葬で使用する曲は、内閣府大臣官房の国葬儀事務局が曲順まで決め、岸田文雄首相にレクしています。選曲のポイントは、いちばん最後にベートーベンの『田園』が入っていることです。葬儀でよく流される曲ですが、じつは隠された意味があるのです。

 

 岸田首相が就任して初めての所信表明演説で打ち出した『デジタル田園都市構想』に忖度して、この曲を最後にもってきました。田園都市構想は “地方の個性を生かす” という政策で、岸田首相が率いる宏池会の伝統的な政策。大平正芳元首相の時代から目玉とされてきたものです。

 

 そんなこともあり、首相はレクのなかで『田園』について、『最後の手向けにふさわしい』と話していたとのことです」

 

 一方、一曲めに選ばれた『月の光』については、事務局のなかで懸念が出たという。

 

「『月の光』は葬儀に限らず、結婚式などでもよく流される曲ということで選んだのですが、選曲にあたり、『旧統一教会を連想させるのでは』という疑念が出たのです。

 

 つまり、世界平和統一家庭連合の総裁である韓鶴子氏の敬称である『マザームーン』を思い起こす人がいるのではないか、というのです。

 

 最終的には、葬儀委員長である岸田総理に報告するわけですが、総理は苦笑しながら、『考えすぎだ。そんなことを言われるわけがない』と疑念を一蹴しました」(同)

 

 反対が過半数を占めたまま開催された国葬。その裏では、さまざまな思惑が渦巻いていたのだ。

( SmartFLASH )

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