社会・政治
賛成派、反対派、YouTuberまで集合して現場は混沌 厳粛な「国葬儀場」の外に見た国民の“分断”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.09.27 20:43 最終更新日:2022.09.27 20:56
9月27日に日本武道館で執りおこなわれた、安倍晋三元首相の国葬。警視庁は、警視総監をトップとする「最高警備本部」を設置して、2万人の態勢で警備に当たった。
首都高速道路が都心部の広い範囲で通行止めになったほか、会場となる日本武道館周辺の一般道でも、交通規制を実施。当日、会場周辺には警備車両がびっしりと並んだ。
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開催に際して、賛否が分かれていた国葬。日本武道館の最寄り駅である、東京メトロ九段下駅前の交差点には、賛成派・反対派それぞれが大挙して訪れ、あちこちでシュプレヒコールが飛び交う状態となった。
「反対派」として抗議活動に参加していた70代の男性は「こんなに警察を動員して、圧力をかけて、どういうつもりなんだ」と、本誌取材に怒りを露わにした。
また「自撮り棒」にスマートフォンを取りつけ、ライブ配信をおこなう若者も、数多く見られた。その場からYouTubeで配信をおこなっていた、芸能活動をしているという女性は「こんな騒ぎになるなんて!」と驚いた様子で語っていた。配信の視聴者は「そんなにいない」という。
国葬の是非とは関係ない人々も多く、もはや“大騒ぎの場”と言っても過言ではない混沌とした現場だったが、賛成派と反対派があわや一触即発、という場面も見受けられた。午後2時ごろ、反対を叫んでいたデモ隊に対し、黒づくめの衣装の男女3人組が掴みかかろうとし、多くの警察官に取り押さえられ、現場は騒然となった。
1時間ほど後、その黒づくめの男女を、靖国神社の境内で目撃。掴みかかろうとした真意を本誌が尋ねると、団体名を伏せたうえで、取材に応じてくれた。
「俺たちは、愛国運動をしている団体ですが、今回の国葬には、とくに賛成も反対もないんですよ。今日、来たのは、自警のため。活動家が国葬にかこつけて大騒ぎしに来ているのに、警察は何もしない。だから、俺たちが止めるんです。
国が16億円も拠出して、何万人もの警官を動員して、それでも混乱を鎮圧することもない。警察は、何をしているのかと言いたい。これでは国賊に騒ぐ場を与えてるだけですよ」
「故安倍晋三国葬儀場」と書かれた看板が掲げられ、武道館のなかで厳粛に国葬が執りおこなわれていたその時間、武道館を一歩出た場所では、罵声が飛び交う大混乱が起きていた。銃撃事件以降の国民の“分断”を、まさに象徴するような1日だった。
( SmartFLASH )