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沖縄からノーベル賞! うちなーんちゅが誇る「沖縄科学技術大学院大学」は“東大越え”の研究機関、教育はすべて英語

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.10.07 19:24 最終更新日:2022.10.07 19:26

沖縄からノーベル賞! うちなーんちゅが誇る「沖縄科学技術大学院大学」は“東大越え”の研究機関、教育はすべて英語

空から撮られたOIST(写真・共同通信)

 

 今年のノーベル生理学・医学賞はスウェーデン出身で、ドイツのマックス・ブランク研究所のスパンテ・ペーボ博士が受賞した。4万年前のネアンデルタール人と、現代の人類であるホモ・サピエンスが種として交わっていた可能性がある──。その研究テーマはいかにも壮大でロマンを掻き立てられる。

 

 この報道を受けて、意外な喜びに湧いているのが、沖縄県民だ。

 

 

「まさか沖縄からノーベル賞が出るなんて! 東大、京大にしか縁がないと思っていたので、驚きでした」(沖縄県在住・30代男性)

 

 ペーボ博士は、沖縄科学技術大学院大学(略称OIST)に客員教授として在籍している。

 

 あまり聞き馴染みのない“大学院大学”という名称、そして沖縄という立地…はたしてどのような大学なのか。

 

 現地紙文化部記者が解説する。

 

「沖縄科学技術大学院大学は、2011年に国の沖縄振興策の一環で、沖縄本島中央部のうるま市に設立されました。通称のOISTは、Okinawa Institute of Science and Technology Graduate Universityの略。

 

 アメリカ軍中部訓練場とリゾートホテル地帯に挟まれた山の中に、莫大な沖縄振興予算をかけて作らた広大なキャンパスは、さながら未来都市。建物の間を結ぶ巨大な吊り橋からの景色は圧巻です。

 

 “大学院大学”とは、通常の大学とは異なり学部は設けられておらず、大学院のみの大学のこと。OISTは、5年一貫制の博士課程のみです。在籍する教員と学生の半数以上が外国人で、教育・研究はすべて英語、世界中から学生が集っています。英科学誌『ネイチャー』の研究機関ランキングでは東大を抜いて日本1位、世界で9位にランクインしており、世界最高水準の研究機関です。

 

 沖縄への技術力への集結、産業の高度化、地域の教育振興などが期待されています」

 

 “日本の最高学府”の東大でもなく、ノーベル賞受賞者をもっとも輩出している京大でもなく、世界最高峰の教育機関が沖縄にあったというわけだ。

 

 だが、OIST特有の課題もあると、教育ジャーナリストが指摘する。

 

「地域に根ざしたスタートアップの創出など、沖縄の経済振興に直接つながる成果は多くはありません。というのも、どちらかというと実学よりも数学原理の解明などの“基礎研究”に重きを置いている大学だからです。研究内容は最先端かつハイレベで、その成果は一般人にはわかりづらいと思います。

 

 そのため、当初は国の政策として設立されたにもかかわらず、昨年の内閣府の検討会では『沖縄振興予算に頼らず、外部資金をもっと獲得せよ』と指摘されてしまっていて、財源の多様化が課題になっています」

 

 とはいえ、その“基礎研究”を重視していたからこその成果が、今回のノーベル賞。内閣府も今後はないがしろにできないだろう。

( SmartFLASH )

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