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イーロン・マスク、突如発表した「ロシア寄り和平案」はプーチンの差し金?…国際政治をめぐる奇々怪々
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.10.13 17:38 最終更新日:2022.10.13 17:42
9月末に米経済誌『フォーブス』が発表した「2022年版・米国長者番付」で、初のトップに立ったのは、テスラ社CEOのイーロン・マスク氏だった。資産額は約2510億ドル(約36兆3000億円)。
そんなマスク氏が、このところ首を突っ込んでいるのが、ウクライナ情勢だ。
「10月4日、マスク氏は突如ロシアとウクライナに対する『和平案』をTwitterで提示しました。これには、ロシアが2014年に併合したクリミア半島を正式にロシア領とするなどの内容が『ロシア寄り』だとして批判が集中しました。
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また10月11日には、地政学者のイアン・ブレマー氏がCNNのインタビューで『マスク氏から最近プーチン大統領と直接会話したと聞いた』と発言したことが注目を集めました。
プーチン氏と話した後に、ロシア寄りのツイートをしたのではないかということです。マスク氏はこれを否定し、プーチン大統領と話したのは1年半前で、宇宙に関する会話だったとツイートしました。
両氏はその後もTwitterでやり取りを続けましたが、『言った言わない』の押し問答になっています」(国際情勢に詳しいジャーナリスト)
話をさらにややこしくしているのが、衛星を利用したインターネット「スターリンク」の存在だ。
「『スターリンク』は、マスク氏が率いる宇宙開発企業『スペースX』が提供するサービスです。日本でも10月11日に提供が始まり、話題になりました。
2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まったとき、ウクライナはマスク氏にスターリンクのサービス提供を要請し、マスク氏はすぐさま支援。いまやウクライナ軍も住民もスターリンクに依存している状況です。
マスク氏はこの支援で8000万ドル(約115億円)負担したことを明らかにしており、このことでマスク氏は『ウクライナ寄り』と見られてきたのです」(同)
それがなぜ、ロシア寄りとなったのか? 「あくまで憶測」としながら、前出ジャーナリストがこう語る。
「ロシアは衛星を標的とした兵器の開発を進めており、対象は民間にも及ぶ可能性があります。『スペースX』『スターリンク』を手がけるマスク氏としては、敵とみなされるのは得策ではない。また、自社企業がロシアのサイバー攻撃の標的になるのを回避する目的もあるかもしれません」
いまや、経済界のみならず国際政治にも強大な影響力を持つマスク氏。その発言や行動すべてが注目を集めているが、それにしても国際政治の現場は奇々怪々である。
( SmartFLASH )