ロンドンの美術館ナショナル・ギャラリーで騒ぎが起こったのは、10月14日のことだった。展示中のゴッホの絵画「ひまわり」に、20代の環境活動家2人がトマトスープとみられる液体をぶちまけたのだ。 額縁にわずかの損傷があったものの、絵画はガラスで覆われていたため、無事だったと報じられている。
「行為に及んだのは、政府の化石燃料政策を批判する『Just Stop Oil』という団体に所属する20歳と21歳の女性。ロンドン警視庁により、器物損壊などの疑いで逮捕されました。
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2人は『ひまわり』にスープを投げつけた後、強力な接着剤を使って壁に自分の手を固定。『絵画の保護と地球や人類の保護と、どちらが重要なのか』と叫んだといいます。
美術館の作品を標的にした、このような抗議は急増しており、イタリアやオーストラリアの美術館でも同様の騒ぎが起こっています」(国際ジャーナリスト)
なぜ環境活動家の抗議は過激化しているのか。従来のデモや座り込みなどが報じられることは少なくなってきており、“とにかく人目を引こう” という思いが、こうした行動につながっているのではないか――米ワシントン・ポスト紙は、社会学者のダナ・フィッシャー氏に取材した上で、そう分析している。
「彼らの狙いどおり、現地のニュースはこの騒動一色に。しかし、反応の多くは、芸術作品を損壊させようとしたことへの怒りでした。
抗議活動について研究しているフィッシャー氏は、同記事で『こうした行動で、人々の気候問題への意識を変えることはできないと、研究で示されている』と語っています。エスカレートしていけば、むしろ気候問題に共感していた人たちすら離反しかねないとのことです」(同)
行きすぎた抗議活動では、人々の支持は得られないということか。
( SmartFLASH )