11月24日、東北電力は、一般的な家庭向け電気料金の値上げを経済産業省に申請した。値上げ幅は平均32.94%で、2023年4月1日の実施を目指す。
燃料価格の高騰と記録的な円安で、東北電力は2022年9月中間連結決算で1363億円の最終赤字を計上した。このままでは電力の安定供給に影響を及ぼしかねないため値上げ申請に踏み切った。
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主力の家庭向け料金プランを契約する標準家庭(使用量月260キロワット時)の場合、現在月8565円の料金が1万1282円となり、月額2717円の負担増となる。
国の規制がない自由料金では、今年12月に請求となる11月使用分から、平均モデルで約28%の値上げがすでに始まっている。
国は値上げの妥当性を数カ月かけて審査し、値上げ幅を圧縮した上で認可する見通し。規制料金の値上げが認められれば東日本大震災後による業績悪化を受けた2013年以来だ。
東北電力の値上げ申請が報道されると、SNSでは悲鳴のような声が多く上がった。
《値上げ幅えげつなくて白目剥いてる》
《これで本当に政府は増税するつもりなのか?》
《夏の電気代が今年は本当に高くてヒィヒィいってたのに更に来年上乗せされるなんていったら本当にキツすぎる》
《ええっー!? これってしれっと凄い負担増よね。この夏~秋にかけても、明細2度見してしまうくらい電気代上がってたし(使用量は昨年とほぼ変わってないのに)。物価が実感できるほどみるみる上がっている状況で、賃金自体を上げてもらわないと、実質手取りが減る一方や…》
「東北電力は、国の安全審査に合格している女川原発2号機(宮城県)の2024年2月の再稼働を織り込み、年間1000億円の収支改善効果で、値上げ幅は5%ほど圧縮したとしています。
今後は経産省が、4カ月程度の審査を経て、値上げ幅を決める方針です。東北電力が前回2013年に値上げを申請した際、平均11.41%の申請に対して、認可されたのは平均8・94。今回の申請も実際の値上げ幅は小さくなる可能性があります。
ただ、原発の再稼働が予定どおり進まなければ、さらに値上げが広がる事態もありえます」(経済担当記者)
日本には電力会社が10社あるが、四国電力を除き、9社が大幅な赤字決算になっている。各社とも人件費や原材料コストを徹底的に見直しているが、それも限界に近い。今後、東京、北陸、中国、四国、沖縄の5社が値上げ申請する方針だ。
政府は、2023年1月から電気代の2割を補助して負担軽減策をとるが、2023年9月からは補助額が半減する。燃料価格の高騰と記録的な円安が続けば、月2000円超の負担増が家計を直撃することになる。
( SmartFLASH )