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前代未聞・工事ミスの損失を市職員全員の給与で穴埋め「無関係な人かわいそう」「隠ぺい体質作る」非難轟々

社会・政治 投稿日:2022.12.16 17:56FLASH編集部

前代未聞・工事ミスの損失を市職員全員の給与で穴埋め「無関係な人かわいそう」「隠ぺい体質作る」非難轟々

市議会で挨拶する宮田達夫・常陸太田市長(写真・共同通信)

 

 下水道工事のミスによって生じた4億円を、市の全職員の給与減で穴埋めする――という前代未聞の条例案が可決された。

 

 茨城県常陸太田市で、市が住宅団地の下水道工事発注の際、汚水の量を誤って算出したため、2022年4月にマンホールから汚水があふれ出る事例が発生。さらに6月には、市が造成する土地でも同様のミスが判明した。これらの改修にかかる費用は、約4億円とされる。

 

 

 市は「回収費用全額を税金でまかなうことは、市民の理解が得られない」として、全職員の給与を減額し、穴埋めの一部とする方針を決め、議案として提出。常陸太田市議会は12月15日に本会議を開き、減給案を可決した。

 

 対象となる職員は563人。職員は給与とボーナスの1~2%、特別職は5%の減給となり、減給期間は1年3カ月。減額分は、約6000万円になるという。

 

 これに対し、SNSでは

 

《これはおかしい。無関係な係の人は納得できないし可哀想でしょ。どんな決議(笑)。市会議員もよく採決できたな》

 

《誰の失敗か明らかなのに、全員で連帯責任だと言って給料減らされたら組織全体のモチベーション下がるし悪しき前例になる》

 

 と、無関係な職員に同情する声が多数ある。また、

 

《仕事に失敗はつきものなのに、失敗したら給料減らすぞっていうのは、隠蔽につながる可能性があるから、対応としては非常に良くないと思う》

 

《連帯責任がどれだけ組織の信頼関係を壊し隠蔽体質を作るか、普通に学校生活を送っていたなら誰でも知っている》

 

《あーあ。悪例作っちゃったね。職員の士気は下がり、行政サービスも低下。有能な職員は減り、来年以降、志望者が減るかもね》

 

 と、「隠蔽」や「志望者減」への影響を心配する声も。

 

 また、少ないながらも

 

《給与の減額がたったの2%で済むというのは、やはり「地方公務員は恵まれている」と批判されて当然です。民間企業で4億円もの穴を空けたら、減給どころか諭旨解雇に追い込まれますよ》

 

 と、厳しい意見もある。

 

 常陸太田市は人口4万6000人あまり。2022年度の一般会計予算は247億7000万円。自治体の財政力を示す「財視力指数」は0.401(2022年度)で、茨城県32市の平均0.685を大きく下回り、32市の中で常総市に次いで低い数値となっている。

 

 4億円の穴は、とてつもなく大きいようだ――。

( SmartFLASH )

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