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大久保公園に急増するZ世代“立ちんぼ女子“の本音「父は会社経営者」「支援団体がウザい」「おとり捜査ヒドい」【写真あり】

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2022.12.24 08:30 最終更新日:2022.12.24 08:31

大久保公園に急増するZ世代“立ちんぼ女子“の本音「父は会社経営者」「支援団体がウザい」「おとり捜査ヒドい」【写真あり】

28歳トリマーの女性

 

「トー横キッズ」と呼ばれる若者たちがたむろすることで注目された、新宿歌舞伎町・新東宝ビル横の広場の北にある大久保公園。ここで今、路上で売春相手を探す“Z世代の立ちんぼ”が増えているという。

 

 この公園と大久保病院の間の路地は“聖地”と呼ばれるほど、もともと立ちんぼが多い場所として知られる。かつては、出稼ぎのアジア系が多かったとされるが、最近は若い日本人の女性が目立つという。

 

 

 12月某日夜9時、本誌記者は現場を訪れた。20代と思われる女性5、6人が間隔を空けて立っている。みんなマスク姿で、スマホを片手に俯いている。周囲を会社帰りらしきサラリーマン風の男性30人ほどがうろつき、「遊べる?」「きみいくら?」「やってる子?」「1万?」などと、単刀直入に女性たちに声をかけている。

 

 病院の西側は、ニューハーフや外国人女性が立ち並ぶ。外国人女性は堂々と顔を上げて前を向き、派手な衣装を身に纏い、キツい香水の匂いを漂わせている。日本人女性が立つエリアとはまったく異なる雰囲気だ。

 

 以下では、本誌の取材に応じてくれた日本人の立ちんぼ女性の声を紹介する。

 

●都内在住の28才、職業・トリマー

 

「立ちんぼを始めたのは1カ月前からです。昼間はトリマーとして働き、週末だけ公園に立っています。今日は、前にここで会った定期(関係を継続している男性客)と、ご飯に行く予定があって来ました。

 

 もともとは、出会い喫茶で“売り”をやっていたんですよね。私の場合、とくにお金に困っているわけではないんです。ホストにも通っていないし、ブランド物にも興味はなく、お父さんは会社を経営してるし…。昔、親に迷惑をかけたんです。だからここで稼いだお金を親孝行と思って実家に送っています。

 

 12月15日から警察の摘発が入って、5日間で女の子が4人捕まったってお客さんから聞きましたよ。でも、私は18日に公園に立って、ひと晩で4人の男性の相手をして6万円稼ぎました。プチ1万が1人、1.5万が2人、2万が1人って感じかな。でも、相手が警察だと怖いから、私は同じ人と会うようにしてます。若い人とか30代とかとはしゃべらないようにしてる。1カ月で、合計10人くらいに会いましたよ。

 

 最近はYouTuberが来たり、私服警官もいるし、マスコミの取材を受けたこともあるし、何かと注目されている印象です。たしかに援交はダメだから、未成年を取り締まる意味ではいいことなのかなって思いますね」

 

●都内在住の31才、無職

 

「最近、YouTuberがよく来るんですよね。動画を上げるのとか本当に勘弁してほしい。遊びたい男性なのか、冷やかしなのか見分けがつかないのもイヤだし、やりづらいから来ないでほしいですね。

 

 私は3、4年前から、19時から24時くらいまで週4、5日ここに立っています。ここの女の子は、20代後半から30代前半が多いですよ。平日は10人くらいいるけど、週末は数十人立ってる。警察の摘発が入ると、数時間は女の子は少なくなるけど、たいして人数は変わらないんですよね。

 

 19時~20時がいちばん女の子が多くて、相場はだいたい1.5万円くらいなんじゃないかな。私は1日5万~6万円が“お給料”です。全部1時間以内に終わらすし、風俗店にいるより稼げるからここに立っています。もともと出会い喫茶にいたんだけど、コロナでお客さんが減ったから私も含めて、公園に一気に女の子が流れてきました。

 

 私は2回捕まったことあります。最初は、17時くらいに男性とレンタルルームに行こうとしたら、その人が警察官で、そのまま目黒署に連行されました。私が男性と交渉している様子を、立ちんぼに扮した女性警察官も見ていたようです。そのときは、3日間留置場に入って不起訴で出ました。2回めは、八王子の警察署まで連れて行かれて罰金2万円。そのときも、3日間留置場に入りました。それでも止めないのは、ほかの稼ぎ方がわからないんです。風俗もしていたし、こういうのにまったく抵抗がないんですよね」

 

●東京近郊在住の21歳、職業・レストラン店員

 

「10月からここに立つようになりました。実家暮らしです。お金がほしいから、ほぼ毎日来ています。きっかけは、友達から『そういう女の子を探している人たちがいて稼げるよ』って聞いたこと。時間は17時から終電まで。昼間は地元のレストランで時給1200円で働き、仕事が終わり次第、電車に乗ってここに来てる。来月からは、保険会社で正社員として働くことが決まっています。お給料は25万円と聞いているけど、それでも遊ぶお金が足りないから、正社員になっても立つのを辞めずにWワークするつもりです。

 

 相場はだいたい1回1.5万円ほどで、私は1日6万円稼いでいます。で、そのお金をホストクラブで使って帰ります。あっという間になくなっちゃう。ここに立っているのも、ホストの担当にお金を使いたいから。ホストクラブに初めて行くようになったのは19歳。よく行くようになったのは担当ができてから。少しの時間でも会いたいから、ここを早めに切り上げて、終電に間に合うように1時間だけ顔を出して帰ることが多い。

 

 親にはここで立っていることを伝えてなくて、『今日は昼間の仕事が遅いシフトだから帰りが遅くなる』と言って出てきます。多分バレてないと思う。

 

 私服警官がめっちゃ増えててヤバ過ぎる。さっきも歩いていたら『お前ら、そんな生き方していていいのか、恥ずかしくないのか』と、大声で怒鳴られた。でも、3月に担当が昇格祝いでシャンパンタワーをやるので300万用意しなくちゃいけない…イヤな客がいてもめげずに頑張る。用意できなかったら最悪、消費者金融でどうにかするつもり(笑)。ツラいけど、担当のためだったら頑張れる! 担当は同い年で、彼の前だと自分が素でいられるから好き。

 

 お客さんの年齢は30~50代が多く、この前初めて70代の男性に当たったけど、めちゃくちゃ優しくていい人だった」

 

●都内在住の30歳、無職

 

「21歳のときからここにいます。土日関係なくほぼ毎日。時間は17時から24時くらいまで。家はこの近くに住んでいる友人のところに居候しています。12月は犯罪防止月間で取り締まりが厳しくて、先週末も4人ほど逮捕されたみたい。歌舞伎町は情報が回るのが早いから、今は警戒してここに来ていない女の子や男性客も多いと思います。

 

 職業はこれ1本、昼間は寝ています。稼ぎは1日平均1万円、よければ2万円、悪いと5000円の日もあります。すべて生活費として使っています。

 

 テレビで歌舞伎町特集を見て『行ってみよう!』と思ってここに来て、そのままいついた感じです。ここには友達もいるし、セックス依存症の解消とお金を稼ぐことを両立できる。毎日、楽しく仕事できているので幸せですね(笑)。相手があまりにしつこいとイヤになるけど…お金をいただいているので、そこは仕事と割り切って我慢しています。ほかの職業は考えられないし、いられる限りはここで立ち続けるつもりです。

 

 最近は未成年の淫行防止を訴える団体がホテルまでついて来て、カップルを引き離す動画を撮ってアップしている。だから、新規のお客さんが取りづらくなっています。定期のお客さんが4人いるからなんとか生活はできているけど…あの人たちをどうにかしてほしいですね。定期のお客さんの年齢は30~50代、いちばんよく来てくれる人は30代のサラリーマンで、週に1回ほど来てくれる。買う気のない“冷やかし軍団”も増えていてやめてほしい」

 

●東京近郊在住の23歳、無職

 

「2022年の夏からここにいます。女の子は去年の4月以降、増えている。年齢も下がってきている。お客さんの職業も年代もいろいろ、年金で来てくれる人もいます。

 

 風俗もしていたけど…ここのほうが稼げるから辞めた。出勤してない。風俗は金額も下がって8000、9000だし、10時間待機して1万円のときもあるけど…ここで1.5万円もらったほうが割がいい。

 

 早いときは16時から立ち始めて、23時くらいに帰ります。お客さんは日本人のほかにもインド、パキスタン、バングラデシュなど南アジアの人もいる。彼らは2回で9000円とか値切ってくるからイヤ。

 

 タイのニューハーフの人は優しくて、稼ぎのない女の子に1000円とか、食べ物をあげている姿を見たことがあります」

 

 ここ最近になって、日本人の若い立ちんぼが急増した理由は何か。『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社新書)を上梓し、介護、AV、風俗などで働く女性の貧困問題を取材するノンフィクションライターの中村淳彦氏に話を聞いた。

 

「私が見る限り、日本人の若い女の子は、昔ならそういうことをするようには見えないタイプのごく普通の子です。

 

 以前は、大久保公園のさらに裏にある日陰の場所に女性たちは立っていました。それがこの1年で大久保病院前に移り、若い普通の子が増えましたね。

 

 年齢は10~20代前半が主流。若い子が増えているので、30代は稼ぐのが難しいと思います。若い女性の間では、ジャニーズやアニメ系の“推し活”(贔屓のライブに行ったりグッズを買って応援すること)が流行っていて、その資金を稼ぐために派遣OLなどが多く立っています。

 

 立ちんぼも『Z世代』(1996年以降生まれた若者)が中心になっています。彼女らは自分で働きたい、稼ぎたいという思いが強い。これまでは一人で活動するのが怖いから風俗店に入ったり、AVプロダクションに所属するのが一般的でした。しかしZ世代の女の子は、自分で稼いだお金を誰にも渡したくないという意識が強く、スカウトなどに頼らず、SNSなどを駆使して、自分で客を探して一人で活動するパターンが主流です。

 

 2021年の夏くらいまでは1回2万円でしたが、今は立っている女性が増えたためデフレが起きたのと、お金のない男性が執拗に値切るので1万5千円が相場です。男性側はもっと下げようとしている印象で、ほとんどの男性が値切ろうとしていますよ。

 

 値崩れしたため、短時間で回転しないと稼げないので、だいたい3人ほど相手してから帰るのではないでしょうか。時間は1人40分~1時間程度、ホテルに行って終わったらすぐに戻って立つというのが典型です。今は、同じことをするのならパパ活のほうが稼げると思います」

 

 歌舞伎町で起こることはほかの繁華街に伝染し、地方に広がっていくと中村氏は分析する。実際、大阪・道頓堀のグリコの看板のもとに集まる少年少女を指す「グリ下」という言葉も生まれている。日本全国で立ちんぼが日常風景となる日が来るのか――。

( SmartFLASH )

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