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全国旅行支援再開に「高齢者の仲間入り」した森永卓郎氏が「政府はある程度の犠牲は仕方ないと判断した」反対の声
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.01.11 19:50 最終更新日:2023.01.11 19:50
年末年始に中断していた政府の観光活性化策「全国旅行支援」が1月10日、再開された。
割引上限額は、交通と宿泊がセットの商品の場合5000円、宿泊のみか日帰りの場合は3000円。飲食やお土産を買う際に使える地域クーポンは、平日2000円分、休日1000円分がもらえる。
同支援は、都道府県に割り振られた予算がなくなり次第、順次終了。3月末ごろがメドとされる。
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斉藤鉄夫国土交通大臣は、2022年11月の会見で、同支援により「コロナ前の賑わいを取り戻した観光地もあるなど、全国的に需要喚起の効果があらわれているものと認識」していることを強調し、観光は今後の「日本の経済の柱になるべき項目であり、地域振興の意味でも重要な産業の柱のひとつ」として、年明け以降も実施していく、と宣言していた。
しかし、SNS上での国民の声は厳しい。
《今のタイミングで? 連日死者過去最大を記録してるのに? 新規陽性者数世界一なのに?》
《別に今のご時世、行きたい人は勝手に旅行行くんだし、支援しなくてももう新幹線だって飛行機だって乗車率回復してたよね? 子育て支援に全振りしてもまだ足りないくらいなんだから》
《いや、それ以上に苦境に喘ぐ業界はないの? 一度こっきりの支援金で「自助共助」で喘ぎ続けてる困窮者は?看護師さん始めとする医療従事者は?保育士、介護士さんは?》
新型コロナウイルスに感染し、亡くなる人の数が過去最多を記録する自治体も登場し、そのほかにも物価高や少子化など、差し迫る課題があるなか、旅行支援の必要性、実効性はどこまであるのか。
経済アナリストの森永卓郎氏は、今回の支援再開を「超経済優先」の発想だと指摘する。
「経済効果があるのは間違いないんですよ。これだけ感染者が増えているということは、人が動いているということですから。2020年7月にスタートした『Go To トラベル』は、税金を使って感染を拡大させたと猛批判され、今回も同じことが起こっているのですが、前回と違うのは、政府は口では言いませんが、高齢者や基礎疾患をもつ人がある程度、犠牲になるのは仕方ないと判断した、という点です。第8波の死亡者数は過去最大になるのはほぼ確実で、1カ月あたり2万人以上が亡くなるかもしれないなか、超経済優先の方針になったということです。
かつて日航機がハイジャックされたとき、実行犯は拘束中だった日本赤軍メンバーの釈放と引き換えに乗客を解放すると要求し、政府はそれに応じたわけです。その理由について、当時の福田赳夫総理は、『人命は地球よりも重い』と言ったんですね。私は日本はそういう国だと思っていたんですが、それが大きく変わったということだと思います。つまり、経済は人命よりも重いんだという判断を岸田内閣は事実上、したということ。
私も2022年に高齢者の仲間入りをして、『年寄りよりも経済』というのは個人的には賛成しかねます。一部の医療機関はもうパンパンになってしまっていて、これ以上増えると対処できないと悲鳴を上げている状況で、もし私が政権を握っているなら、とりあえず予算を先送りし、この段階での支援の再開はしません」
本当に人命を犠牲にして経済を優先させる発想なら、日本はかなり危険な国家となったということか……。
( SmartFLASH )