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「防衛版ふるさと納税」創設案に賛否両論…SNSでは「軍拡より生活」トレンド入りで分断進む
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.02.10 19:29 最終更新日:2023.02.10 19:36
自民党内で「防衛版ふるさと納税」を創設する案が浮上している。自衛隊員の福利厚生にあてるなど安全保障分野を目的とした寄付制度を導入し、防衛費増額の財源の一部と位置づける。ふるさと納税と同じように、税の控除を受けられるようにする可能性もある。2月9日、日本経済新聞が報じた。
萩生田光一政調会長が委員長をつとめる、「防衛関係費の財源検討に関する特命委員会」で議題とし、6月にもまとめる「骨太の方針」への反映をめざすという。
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萩生田氏は、1月19日、特命委員会の初会合でこう発言していた。
「財源のうち、税については、税制調査会で一定の道筋をつけていただいたものの、そのほかの事項は、いまなお党内にさまざまな意見がある。税以外の財源の具体的なあり方について、ていねいに議論する」
「防衛版ふるさと納税」については、2022年11月、元自衛官で “ヒゲの隊長” こと自民党の佐藤正久参院議員が『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)で構想を披露していた。このたび、ついに具体化へ動き出した形だ。
「防衛版ふるさと納税」案が報じられると、SNSでは賛否両論が渦巻いた。
《賛成します。実現を強く願います!!》
《勿論お納めさせて頂ききます 返礼品が気になるなぁ》
《これならワイは気前よく払いますよ。命かかってますんで》
と賛同する声があがる一方、否定的な声も多く見られた。
《ウワァ……第二次大戦時の「戦時国債」を郷土愛でカモフラージュですか、エグいっすね…》
《賛同する人も多いのかもしれないが、ふるさと納税がそうであるように結局は限られた税金のパイの奪い合いでしかない》
2月10日、立憲民主党の泉健太代表は、防衛版ふるさと納税について、「戦前も国民に協力を求め、国防献金等が隣組等で集められてきた歴史を考えると、一つ間違えると恐ろしい話になってしまう」と懸念を述べた。そのうえで、「寄付を安定財源と見てはいけない。自民党の議論はピントがずれている」と否定的な見方を示した。
一方、2月9日には、《軍拡より生活》がTwitterでトレンド入り。前日に、上野千鶴子東京大学名誉教授らが参加する「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」が、岸田政権の防衛費拡充に反対し、生活者の目線に立った政策を求めた署名7万4900人ぶんを提出している。
5年間で43兆円――岸田政権の防衛費増額にともなう増税方針に、世間の分断が深まっている。
( SmartFLASH )