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私大医学部に進学したら3600万円!足立区の子育て支援にあふれる驚きの声…専門家も「ユニークな公約はアリ」と注目

社会・政治 投稿日:2023.02.21 22:20FLASH編集部

私大医学部に進学したら3600万円!足立区の子育て支援にあふれる驚きの声…専門家も「ユニークな公約はアリ」と注目

足立区役所(写真:マリンプレスジャパン/アフロ)

 

 2022年の出生数が統計開始後初めて80万人を割る見通しのなか、少子化対策が喫緊の課題となっている。岸田文雄首相は、1月4日の年頭会見で「異次元の少子化対策」を打ち出し、3月末までに政策のたたき台を作ろうとしている。

 

 中心となるのは、(1)児童手当など経済的支援の強化(2)幼児・保育サービスなどの拡充(3)育休制度の強化や働き方改革の3本柱だが、具体的な議論はこれからだ。

 

 

 一方、国に先んじて、東京都小池百合子知事は、18歳以下の都民1人あたり月5000円の支給と、第2子の保育料の無償化を実施すると発表した。いずれも所得制限はなく、2023年度から開始される見込みだ。

 

 全国の自治体は次々と子育て支援策を表明しており、入学にあわせた祝い金やお米の支給などを謳っているが、やはり財源が豊かな東京23区が充実している。

 

 たとえば目黒区は18歳以下の子供に1万円、新生児に2万円、江東区は18歳以下に1人3万円の電子クーポンを支給する。

 

 そうしたなか、ユニークすぎる支援を発表したのが足立区だ。年収800万円以下の世帯を対象に、大学生向けの奨学金を貸与型から給付型に切り替える。

 

 通常の大学で、入学料38万円、授業料を年198万円支給する。4年間の合計で830万円だ。また、私立医科・歯科系大学では、入学料162万円に加え、授業料を年573万円支給する。医学部は6年なので、最大で3600万円の支給となる。

 

 少子化に取り組む足立区の熱意が伝わったのか、ツイッターには「足立区すごい」「素晴らしい」といった声が寄せられている。だが、一方でこんな疑問の声も。

 

《あらゆる所得制限を受ける世帯年収1200万でも私立の医学部とかいけないよ笑。3-400万世帯で良くない?》

 

《足立区が、未来のある若者を公金で買い始めた? こんなん、医学部卒業して禊が済んだら転出するだろうに…》

 

 足立区の掲げる支援策について、公共政策が専門の嘉悦大学教授・真鍋雅史氏がこう解説する。

 

「こうした子育て支援策は各自治体からたくさん出てきています。『足による投票』という言葉があって、誰もがサービスがいいところに住みたいので、より住みやすい場所に動こうとする。足で自治体を選ぶからこう呼びます。

 

 おそらく足立区は、医学部に通う優秀な人に引っ越してきてほしいということなのでしょう。このように、自治体間の競争が生まれるので、私自身はいいことだと思います。話題性を狙ったユニークな公約もありで、自由にいろんなメニューを掲げればいいと思います。

 

 たとえば大阪市は、小中学生に塾代を月1万円助成していますが、2020年度で約1万7000人が利用したといいます。助成の対象は多いほうがいいかもしれません。

 

 いずれにせよ、いちばん責められるべきは国です。『異次元の少子化対策』などと言うだけ言って、具体的に何も進めずにいるから、しびれを切らした自治体が動き始めたわけです。自治体があれこれ工夫しているのが今の構図です」

 

 ちなみに足立区は、大学進学率は45.7%で、23区で下から2番めの低さ(2022年度「学校基本統計」による)。教育水準を高めて、区のイメージアップを図りたいという目的もありそうだ。

( SmartFLASH )

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