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高橋洋一氏、小西文書を一刀両断「旧自治省vs.旧郵政省の内部抗争」…解説動画に「よくわかる」「論点ずらし」賛否渦巻く

社会・政治 投稿日:2023.03.09 17:56FLASH編集部

高橋洋一氏、小西文書を一刀両断「旧自治省vs.旧郵政省の内部抗争」…解説動画に「よくわかる」「論点ずらし」賛否渦巻く

 

 3月8日、嘉悦大教授で経済学者の高橋洋一氏が、自身のYouTubeチャンネル「高橋洋一チャンネル」を更新。立憲民主党小西洋之参院議員が3月2日に公表した78ページの文書について解説した。

 

 文書は2014年から2015年にかけて、『サンデーモーニング』(TBS系)に不満を持った礒崎陽輔首相補佐官(以下、肩書は当時のもの)が、総務省に対して、放送法が規定する「政治的公平」の解釈変更を迫ったやりとりが記されている。

 

 

『小西文書は行政文書だ!それが何か?くだらない総務省の内部抗争【マスコミ必見】』と題した動画の冒頭、高橋氏はこう切り出した。

 

「まず言っておくと、行政文書かどうかと言ったら行政文書。ただ、すぐに正しい文書と誤解するけど、メモも行政文書。ハッキリ言うとデタラメなものはたくさんあります」

 

 高市早苗総務相関連とされる4枚の文書のうち、《高市大臣レク結果(政治的公平について)2015年2月13日》とされた文書の配布先は、《桜井総審、福岡官房長、今林括審、局長、審議官、総務課長、地上放送課長》となっている。

 

 桜井総審とは桜井俊総務審議官のことで、活動休止中のアイドルグループ「嵐」の桜井翔の父親としても知られる。高市氏関連のほかの3枚には配布先は書かれていない。

 

 高市氏関連の文書について高橋氏はこう解説する。

 

「高市大臣のレク、大臣説明があって、桜井パパ、ようするに旧郵政省系のなかでしか回していない。旧郵政のトップが桜井パパ。特にあのメモを見たら大臣室に回していない。高市さんは何をメモされたかわからない状況。

 

 あの手の話はデタラメが多い。普通は信憑性を高めるために、大臣室や事務次官に回すのです。大臣室、事務次官に回していたら高市さんもちゃんとチェックしたはず。完全に旧郵政の身内だけのメモになっている。だからあれは信憑性がないとすぐ思いましたね」

 

 さらに、総務省内の権力闘争として、旧自治vs.旧郵政のバトルがある、と高橋氏は言う。総務省は2001年、「自治省」「郵政省」「総務庁」(旧行政管理庁)などが統合して発足した。

 

「旧自治と旧郵政は総務省内でものすごくバトルするわけ。もう一個、旧行政管理庁がからむから三つ巴になってたいへんなんです。

 

 わたしは総務省の大臣室に行っていたけど、このケンカばかり年中見てて、毎日やっている。あきれてしまって、部外者にはとてもじゃないけどついていける話じゃない」

 

 旧行政管理庁は弱い役所だったので、それほど影響力はない。だが……。

 

「旧郵政と旧自治はたいへん。旧自治は旧内務省で、昔は大蔵省に匹敵する役所だったという自負もある。旧郵政のほうも電波とか、田中角栄のころからすごい政治力があると有名で、本当にたいへんなところ」

 

 文書には、総務省から出向している山田真貴子首相秘書官が、2015年2月18日、同省に対し《礒崎補佐官は官邸内で影響力はない。総務省としてここまで丁寧にお付き合いする必要があるのか疑問。今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか》と語ったことが記されている。

 

 一方、礒崎陽輔首相補佐官は、同年2月24日、総務省に対し、《俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。クビが飛ぶぞ》と猛反発。さらに、3月6日には、《山田秘書官は抵抗しすぎだったな。旧自治省が悪いのか旧郵政省が悪いのかは知らないが、総理もあまり総務省に好感触を持っているようではない。桜井総務審議官にも「無駄な抵抗はしないほうがいい」と伝えておこうと思う》と語ったことが記されている。

 

「桜井パパがいるところは旧郵政。そこのメモなんだよね。ちなみにこれを出した小西(洋之参院)議員も旧郵政。そう見ると旧郵政のほうがいろいろやっている。

 

 このメモ全体を見ると、旧自治の礒崎補佐官と旧郵政の山田秘書官がバトルしているのがよくわかります。旧郵政と旧自治のバトルという観点でみるとものすごくわかりやすい。

 

 そういう話は高市さんとか(安倍)総理がすぐわかる。旧郵政と旧自治が争っているときは立ち入らないのが大原則。どちらかに片寄せしたらたいへんなことになる」

 

 8年前の文書がいま取りざたされる背景には、奈良県知事選(4月9日投開票)、大分参院補欠選挙(同)があると高橋氏は言う。奈良県知事選では、高市氏の元秘書官も務めた元総務官僚の新人が出馬するが、現職候補と「保守分裂選挙」の様相を呈している。

 

 礒崎氏は、2019年の参院選大分選挙区で落選。参院補選に向けて、自民党大分県連が候補者を公募している段階だ。

 

「これ(文書)を持ちだすと、旧自治の礒崎さんと高市さんにダメージを与えられる。ダメージというか悪い印象になる。今度の大分の(参院)補選は礒崎さんか、その息のかかった人と言われている。奈良の県知事選は、旧自治の人が出る。旧郵政からみたら完全な意趣返し。そこにおそらく野党が乗っている。旧自治・旧郵政という補助線を入れると全部が綺麗に説明できます」

 

 高橋氏の解説動画が公開されると、3月9日には、Twitterで《総務省の内部抗争》がトレンド入り。高橋氏の解説に賛同する声が多く上がった。

 

《小西文書ってしょうもない話でしたって!よく分かるよ》

 

《なるほど!大臣を無視した身内のメモというわけか!》

 

《小西文書の完全解説。さすが省庁のみずほ銀行と言われる総務省》

 

 一方で、批判的な声も。

 

《よくまあ論点ずらして矮小化して論じるよね》

 

《総務省ができたのは22年も前の事だぞ》

 

《総務省の内部抗争ねー。そんな単純な話かな?元安倍晋三応援団の言ってる事だから話半分以下で聞かないとね》

 

 なぜか突然現れた8年前の文書。4月の統一地方選まで、この騒動は尾を引きそうだ。

( SmartFLASH )

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