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岸田首相、ウクライナから凱旋帰国するも話題になるのは「しゃもじ」と「まんじゅう」だけの哀しみ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.03.24 17:45 最終更新日:2023.03.24 18:03
3月24日、岸田文雄首相は参院予算委員会で、ウクライナ訪問の際、ゼレンスキー大統領に「必勝」の文字が書かれたしゃもじを贈呈したことについて、「ウクライナの方々は祖国や自由を守るために戦っている。この努力に敬意を表したい」と述べた。
立憲民主党の石垣のり子氏が「選挙やスポーツではない。日本がやるべきはいかに和平をおこなうかだ。必勝というのは不適切」と批判したことに答えた。
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しゃもじは、首相の地元・広島にある厳島神社の名産品。木製のしゃもじに「必勝」の文字などが書かれた縁起物で、高校野球やサッカーなど広島代表チームの応援にも用いられる。
「岸田首相は、外相だった2015年3月、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)氏との会談でも、国交正常化50周年を記念するロゴマーク入りのしゃもじを贈呈しています。
また、2021年、自民党総裁選に出馬した際は、特大の『必勝しゃもじ』が岸田陣営に飾られました。岸田首相にとっては縁起物であり、勝負ごとには欠かせないものなのでしょう。
ただ、『必勝しゃもじ』は、日清・日露戦争が起きた際、戦場に向かう兵士が、『敵を召し(飯)取る』との語呂合わせから、しゃもじを奉納したことで有名になったといわれています。日露戦争で日本はロシアに勝利していることから、岸田首相が強烈なメッセージを込めたという見方も出ています」(政治担当記者)
23日、訪問先のウクライナから意気揚々と凱旋帰国した岸田首相は、参院予算委で「G7議長国を務める日本として、ウクライナ侵略への対応を主導する決意を示すことができた」と意義を強調。だが、国会で待っていたのは、予想外の話だった。
同日の参院予算委では、首相の地元後援会が開催した政治資金パーティーで、5月のG7広島サミットのロゴマーク入りまんじゅうやペンが手土産として配られたと指摘された。立憲民主党の田名部匡代参院幹事長が、外務省の使用承認条件を満たしていないと追及した。
外務省は、政治活動を目的としたサミットのロゴ使用は認めないと規定している。林芳正外相は「サミットの開催機運の醸成にあると認められる申請は承認している」と説明し、岸田首相は、外務省から承認を得たとしつつ「今後は慎重に対応する」と釈明した。
岸田首相の話題が「必勝しゃもじ」や「サミットまんじゅう」しかないことに、SNSではこんな声があがっている。
《「ウクライナへのしゃもじ」と云い、次は「サミットまんじゅう」。岸田さん、お願いだから、もう勘弁してよ。いい加減首相らしくしてよ》
《まんじゅう配ったり、ウクライナに広島の必勝しゃもじを持って行ったり。そこらのヒラ議員じゃないんだから》
《G7まんじゅうとかしゃもじとか一般常識すら欠如してるよな。こんな世襲しゃもじ総理は嫌だ》
23日には、自民党の石井準一参院議院運営委員長が、岸田首相のウクライナ訪問の自身への報告が遅かったとして、政府に苦言を呈したと時事通信が報じている。
記事によると、石井氏が、官房副長官からウクライナ訪問について連絡を受けたのは21日午後。「電撃訪問」は同日午前中に報道されており、石井氏は「対応が悪い。国会軽視だ」と指摘したという。
岸田首相のウクライナ電撃訪問は、中国の習近平国家主席の訪ロと重なり、欧米でも注目を集めたのだが、国内で話題となるのは、「しゃもじ」と「まんじゅう」、さらに「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」だけ。岸田首相が悪いのか、野党が悪いのか。あるいは日本が平和ボケなのか――。
( SmartFLASH )