社会・政治
【統一地方選前半戦】維新の躍進に危機感覚える公明党、“暗黙の選挙協力”にまたも「大阪都構想」登場か
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.11 15:30 最終更新日:2023.04.11 15:30
4月9日におこなわれた、統一地方選前半戦。大阪府知事選、大阪市長選は事前の予想を裏切ることなく「日本維新の会」が勝利を収め、自民党が分裂した奈良県知事選も、高市早苗経済安全保障相の「ねつ造文章騒動」もあり、維新の候補が勝利した。
だが、維新にとってもっとも大きな成果は「大阪市議会選挙での勝利です」と語るのは、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏だ。
【関連記事:立民・泉代表「野党第一党」でもTwitterフォロワー数最下位! 絶望的な「発信力のなさ」に集まる辛辣な声】
維新は、大阪府議会では過半数を占めていたが、市議会では達していなかった。それが、今回の選挙で、市議会で46議席を獲得。初めて過半数になったのだ。一方で、自民党は府議団と市議団の幹事長が落選するなど、惨敗。両議会で大幅に議席を減らすことになった。
「維新のこの躍進に危機感を覚えているのは、自民党ではなく公明党なんです」と、自民党府連幹部は語る。どういうことなのか。
「大阪府の衆院選挙区は、19区あります。2021年の選挙では維新が15議席、公明党が4議席を獲得しました。公明党が獲得した選挙区には、維新は候補を立てなかったのです。それは、市議会で公明党の協力が必要だったからです。しかし今回、市議選で維新が過半数を取りました。公明党に頼らなくても市議会運営ができるようになったのです」
前出の鈴木氏は「選挙後、当選した維新の吉村洋文府知事に、公明党との協力関係をどうするのか聞きました」と打ち明ける。
「吉村さんは『有権者から、選択肢を示すべきだという声をいただいています。(公明党議員がいる選挙区に)候補者を立てるかどうか、よく考えて、馬場伸幸代表とも話したいと思います』と言っていました。
公明党とすれば、維新に対抗馬を立てられると苦戦は必至です。ここからは私の想像ですが、たとえば維新が3回めになる『大阪都構想』を示して、公明党に『全面協力をするなら候補者を立てませんよ』ということだってありうるかもしれません」
どうやら、切り札は維新の手中にあるようだ。
そんな維新の馬場代表は、先の参院選をホップ、今回の統一地方選挙をステップ、来たるべき衆院選をジャンプと表現している。果たして悲願の全国政党になることは可能だろうか。
「兵庫県では、神戸市内の全選挙区で議席を獲得。京都府でも選挙前を3議席上回りましたが、強いのはやはり関西圏です」と、維新関係者も“偏り”を認める。北海道、群馬、栃木、香川、埼玉、福岡、熊本などの議会選挙で初議席を獲得したものの、神奈川で取りこぼすなど、関西圏以外では弱さも見受けられる。しかし、各党とも無視できない存在になっていることだけは間違いない。
( SmartFLASH )