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統一地方選で関西中心に大躍進の維新、野田元首相が言及した“箱根越え”の可能性を専門家に聞いた
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.11 17:45 最終更新日:2023.04.11 17:45
4月9日におこなわれた第20回統一地方選前半戦は、日本維新の会の躍進が目立つ結果となった。
「大阪府知事選は吉村洋文氏、大阪市長選では横山英幸氏が勝利。これは、大方の予想どおりでした。大阪府議選、大阪市議選はともに単独過半数を確保しました。
さらに奈良県知事選でも、維新に所属する山下真氏が勝利、そのほか北海道や神奈川県、埼玉県など、13道県で初めて当選者を出しました」(政治担当記者)
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前半戦、41道府県議選で124議席を獲得した維新。これは改選前と比べるとほぼ“倍増”といってもよい数字だ。
この勢いを目の当たりにして、自民党の茂木敏充幹事長は「(自民にとって)大阪をはじめ、関西圏での体制立て直しという課題があらためて明らかとなった」と、苦渋の表情で発言。維新の躍進に危機感を示したかたちとなった。
そんな“維新ショック”から一夜明けた10日、立憲民主党最高顧問の野田佳彦元首相が『深層NEWS』(BS日テレ)に出演。維新について「関西で、ますます強くなってきました。箱根を越えて東に来るにはまだ大変だという印象だが、手ごわいライバルになってきました」と語った。
しかし、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、維新の“箱根越え”について「そう遠くない」と語る。
「維新の支持は、全国にじわじわ広がっていると思います。日本人の7~8割が保守層といわれていますが、維新はそのなかでも『自民党以外に投票したい』という人たちの受け皿になっています。これまでの維新は、橋下徹氏、松井一郎氏といった『党の顔』頼みの政党でしたが、馬場伸幸代表はそこから脱皮して、新しい世代の維新を目指しているのです」
「大阪の地域政党」というイメージからの脱却を図っている維新。そして馬場代表は、この統一地方選挙で「地方議員600議席以上の獲得」を目標にしており、それを達成できなければ代表を辞任する意向であることも過去に語っている。
「私は達成できるのではないかと思っています。そうすると、全国に組織ができます。このままの勢いが維持できれば、次の衆院選でも、そこそこ当選者が出るのではないでしょうか」(伊藤氏)
今回の地方統一選は、維新にとって“全国政党化”への大きな足がかりとなりそうだ。
( SmartFLASH )