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税金2000万円が投入!? 特殊詐欺グループ、カンボジアから移送に「マレーシア航空チャーター機」のなぜ

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.12 17:12 最終更新日:2023.04.12 19:39

税金2000万円が投入!? 特殊詐欺グループ、カンボジアから移送に「マレーシア航空チャーター機」のなぜ

4月11日に逮捕され、羽田空港に到着した特殊詐欺グループメンバーの男性(中央)(写真・梅基展央)

 

 4月11日、カンボジアを拠点にした、日本の特殊詐欺グループの男19人について、警視庁は日本へ移送中のチャーター機の中で逮捕した。

 

 20代から50代の特殊詐欺グループが“本拠”に使っていたのは、カンボジア南部のリゾート地、シアヌークビルにあるホテルだった。ホテルの部屋からは、ノートパソコンや詐欺の手口が書かれたマニュアル、名簿、約60台のスマートフォンが見つかっている。

 

 

「逮捕容疑は2023年1月、東京都内の60代女性に『有料サイトの未払い料金がある』とウソの電話をかけて、約25万円相当の電子マネーを詐取した疑いです。カンボジアの日本大使館に『ホテルに詐欺グループがいる』と情報提供が寄せられ、現地警察と連携して身柄を拘束。19人を首都・プノンペンにある施設に収容していました」(事件担当記者)

 

 容疑者たちを日本に移送するのに使われたのは、マレーシア航空のチャーター機だった。「なぜ日本の航空会社ではなく、海外の会社?」「なぜチャーター機?」という疑問の声も多く聞かれた。疑問を解くため、日本にあるマレーシア航空の事務所に問い合わせたが、「こちらではよくわかりません」と困惑の様子。

 

 航空業界関係者は「容疑者の移送に使うというのは、あまりいいイメージではないので、日本の航空会社は断ったんじゃないかな」と言うが、それでマレーシア航空にお願いしたというのも説得力がないので航空ジャーナリストの青木謙知氏に伺った。

 

「チャーター機を使ったのは、19人の容疑者と50人といわれる捜査員の人数を考えると、一般旅客と一緒の飛行機では難しい、という判断だと思います。

 

 今回は、150席から180席が用意されている、中距離向きのボーイング737型機が使用されていますが、日本の航空会社では、チャーター機として用意できなかったのではないでしょうか。より大きな機体なら用意できたかもしれませんが、チャーター料が高くなってしまいます。


 マレーシア航空にお願いしたのは、同国は日本との交流も盛んで、カンボジアにも近いという理由ではないでしょうか。もしかしたらチャーター料を安くしてくれたのかもしれませんが(苦笑)」

 

 仮にディスカウントしてくれたとしても、数千万円になるのではないだろうか。

 

「チャーター機の料金は『定価』がなく、ケースバイケースなんです。航空会社もあまり明らかにはしていません。今回は1人20万円くらい、プラス機長とCAの人件費などを考えて、2000万円くらいではないでしょうか」(青木氏)

 

 仕方ないとはいえ、容疑者の移送に多額の税金がつぎ込まれることには忸怩たる思いもあるが、ここは全容解明と再発防止を思って、納得するしかないだろう。

 

 19人は羽田空港に到着後、警視庁湾岸署や池袋署、中央署など4つの警察署へ移送された。

( SmartFLASH )

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