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「個人の判断」でマスクの売り上げ減少報道「政府の買い上げはまだ続いている?」厚生労働省に聞いた
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.18 18:15 最終更新日:2023.04.18 18:15
4月17日、毎日新聞が「マスクの売り上げ、着用緩和で3割近く減少」と報じた。
記事によれば、政府が屋内でのマスク着用を「個人の判断」として以降、全国のスーパーマーケットなどでのマスクの売り上げが3割近く減ったことが明らかになったという。東芝が、同社で提供する電子レシートのデータを分析したことによって判明した。新型コロナウイルスの流行以降、マスク着用は習慣として定着してきたが、ここにきて徐々にマスク離れが進んでいるということだ。
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政府がマスクの着用を「個人の判断」としたのは、3月13日から。週ごとのマスクの売り上げは、3月13~19日は約623万円だったものが、同20~26日は約451万円と、約28%減少し、2023年でもっとも売り上げのピークだった1月23~29日の週(約700万円)と比べると、約36%減ったと記事は報じている。
「感染状況の落ち着きも、大きく影響しているでしょう。コロナ禍初期、マスクを求めて深夜からドラッグストアの前に人が並ぶ光景は、いたるところで見られました。また、インターネットでは1枚100円という値段で売られていたことも。『マスク販売詐欺サイト』の存在も当時、報じられていました」(週刊誌記者)
コロナ禍初期、政府も企業に増産のハッパをかけた。
2020年4月7日付の読売新聞は、梶山弘志経済産業相(当時・以下同)と加藤勝信厚生労働相が、マスクや人工呼吸器など医療物資の不足に対応するため、日本経団連の中西宏明会長と経済同友会の桜田謙悟代表幹事と面会したことを報じている。
当時、梶山経産相は「医療物資は供給不足だ。供給量を高めてほしい」、加藤厚労相も「(政府が)買い上げさせていただく。安心して増産に対応してほしいと求めた」と財界に話していた。
政府による買い上げはいまも続いているのだろうか。厚労省のホームページを見ると、随意契約で「医療用マスク」の買い上げは継続されていた。
2021年度、2022年度の「随意契約に係る情報の公表(物品役務等)」を見てみると、2022年度は約3億5000万円、2021年度は約13億5000万円で買い上げられていた。
「今後も新たな感染症が発生して、マスクが輸入困難になり、不足することも考えられますので、まだ法律の見直しは聞いていません。現在は、使用期限が5年以上などの条件をつけていて、借り上げた倉庫に保管しています」(厚生労働省担当者)
5月8日からは、新型コロナは法律上の位置づけが「5類」に移行される。マスクの生産にも余剰感が出てきているいま、子育て予算の財源確保なども見すえて、見直す時期にきているのかもしれない。
( SmartFLASH )