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国民負担率47.5%…岸田首相「五公五民」批判に「江戸時代の年貢とは違う」都合の悪い話は華麗にスルー

社会・政治 投稿日:2023.04.20 15:43FLASH編集部

国民負担率47.5%…岸田首相「五公五民」批判に「江戸時代の年貢とは違う」都合の悪い話は華麗にスルー

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 

 4月19日、参院本会議で、「国民負担率」47.5%、「五公五民」が取り上げられた。

 

 この日、本会議では、一定以上の収入がある75歳以上の医療保険料引き上げを盛り込んだ「健康保険法」改正案などが審議入りした。 日本維新の会の東徹議員は質疑に立ち、岸田文雄首相に見解をただした。

 

「(この30年間)上がったものといえば税金と社会保険料といった国民の負担です。国民負担率を見れば30年前が36.3%で直近では47.5%。まさしくいまや『五公五民』であり、まるで江戸時代に戻ったかのようです。

 

 

 政治は結果責任だとよく言いますが、この30年の結果を見れば、まさしく政治の怠慢にあたるという認識が総理にありますか?」

 

 対して、岸田首相はこう答弁した。

 

「国民負担率については、少子高齢化による社会保障給付の増大にともなって負担も増加し、給付と負担の両面において、上昇傾向が続いているものであり、受益と負担を考慮していない、江戸時代の年貢と同列に論じることは不適当であると考えています」

 

「国民負担率」は、国民所得に占める税金や社会保険料(年金・医療保険など)の割合で、いかに公的負担が大きいかを国際的に比較する指標の一つ。

 

 2月21日、財務省が、2022年度の「国民負担率」が47.5%(税負担が28.6%、社会保障負担が18.8%)の見込みだと発表。国民所得のほぼ半分が公的負担に奪われる事態に、Twitterでは悲鳴にも似た声が多くあがり、江戸時代の年貢率《五公五民》がトレンド入りしていた。

 

 岸田首相が「五公五民」の指摘を一顧だにせず、都合の悪い話を華麗にスルーしたことに、SNSでは賛否が渦巻いた。

 

《岸田さんが120%正しい》

 

 と賛同する声がある一方で、

 

《問題はその公的サービスの中身》

 

《江戸時代並に国民負担率が高くても教育とか老後保障とかにきっちりと回してくれれば誰も文句言わないんだよ》

 

《社会保障と考えられる全てでどうみても削減されてんだけど》

 

 と、「国民負担率」が上昇しているにもかかわらず、社会保障給付が削減されたり、偏ったりしていることに不満を抱く声が多くあがった。

 

 4月20日には、日本経済新聞が「大企業健保、赤字5600億円超で過去最大 23年度見込み」という記事を配信。おもに大企業の会社員が入る、全国およそ1400の健保組合を合算した経常収支は、2023年度に5623億円の赤字となる見通しを報じた。

 

 その原因として、高齢者医療への拠出金の増大があげられる。医療費の支払い(保険給付費)は4兆7820億円で、そのうち高齢者医療への拠出金が3兆7067億円にのぼっている。

 

 SNSでは、保険給付費が偏っていることを批判する声も多くあがった。

 

《若いうちに払っておけば高齢になった時に安く医療を受けられるはずなんだけど、今の若者世代が高齢になった時にこの制度をちゃんと維持できてるの?》

 

《病院に滅多に行かない人、病院嫌いな人はひたすら他人のために保険料払ってます。本当に医療が必要な方はいいんです。何の不服もありません。安心して医療を受けるべきと思います。無駄な医療、不必要な医療がたくさんあるんじゃないんですか?》

 

「異次元の少子化対策」を進める岸田政権で、「国民負担率」がさらに上昇することは必至の情勢だ。高齢者医療のために負担が増し、さらに少子化対策で負担を強いられる。岸田首相が「五公五民」を否定しても、現役世代の負担感を和らげることはできそうにない。

( SmartFLASH )

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