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岸田首相、補選の薄氷勝利に「政策をやりぬけとの叱咤激励」…党内に走る動揺「解散総選挙」見直しも

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.24 16:40 最終更新日:2023.04.24 16:40

岸田首相、補選の薄氷勝利に「政策をやりぬけとの叱咤激励」…党内に走る動揺「解散総選挙」見直しも

写真:AP/アフロ

 

 4月23日に投開票がおこなわれた衆参5つの補欠選挙。衆院・和歌山1区を除く4つの選挙区で自民党候補が議席を確保した形となった。

 

「岸田総理は、今回の5つの補選を『最低でも3勝2敗』としていました。結果は4勝1敗ですから合格点。ですが、統一地方選直前の世論調査では、岸田内閣の支持率が先月より上昇していたので、まさかこんなに “薄氷の勝利” になるとは思ってもいませんでした。党本部に祝勝気分は微塵もありません」(自民党中堅議員)

 

 

 たしかに、ANN(テレビ朝日系)が4月15・16日におこなった世論調査では、「岸田内閣を支持する」と答えた人は45.3%で先月より10.2ポイントも上昇。「支持しない」は34.6%にとどまっていた。

 

 では、“薄氷の勝利” とはどういうことだったのか。

 

「参院大分選挙区は、自民公認の白坂亜紀氏(56)の19万6122票に対して立民の吉田忠智氏(67)は19万5781票。その差はわずか341票差です。

 

 衆院山口2区は、岸信夫氏の長男で自民党公認の岸信千世氏(31)が6万1369票、元衆院議員で野田政権の法相だった平岡秀夫氏(69)が5万5601票。差は5768票です。補選とはいえ国政選挙ですから、この僅差は驚きです」(政治担当記者)

 

 政治アナリストの伊藤惇夫氏も、

 

「大分は接戦と言われていましたが、自民党が盤石と言われる山口2区でこれだけ追い詰められたのは驚きです。山口4区も、安倍元首相が獲得した2017年の総選挙から半減。候補者が乱立した衆院千葉5区も、立憲と維新が組めば結果はひっくり返ってしまうものでした」

 

 と、野党が統一候補を担いだら自民党は完敗だったと言う。

 

 なぜこのような超接戦になったのか。

 

「今回の支持率アップの理由は、首相のウクライナ電撃訪問と日韓首脳会談の成功です。これらは国民生活に直結する問題ではありませんから、支持率アップがすなわち自民党支持につながらないです。

 

 逆に言えば、数字だけではわからない、国民の与党に対する不満やあきらめがマグマのように溜まっているということです。

 

 補選の結果に自民党は衝撃を受け、茂木幹事長は『候補者を一から考え直さなければ』とまで言っています」(前出・政治担当記者)

 

 一部にあった「G7広島サミット後に解散総選挙」という風向きは、一気に変わりそうだ。

 

「岸田さんは慎重にならざるを得ないでしょう。前回総選挙の小選挙区は、1万票差以内で勝った自民党議員が33人、2万票差だと57人います。これらの議員が『野党の選挙体制が整う前に解散総選挙を』と言っていましたが、今回の僅差を見て驚いているはずです。戦略の見直しも迫られるでしょう」(伊藤氏)

 

 24日朝、岸田首相は補選の結果について「政策をやりぬけとの国民からの叱咤激励」と表現。また、解散については「今は考えていない」と記者団に語っている。

 

「薄氷の勝利」を前に、解散時期についても頭を抱えているのだろうか――。

( SmartFLASH )

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