社会・政治
「2070年には人口3割減」厚労省“衝撃のデータ”に専門家が危惧「『人口1億人現地調達説』が崩壊する」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.04.27 18:38 最終更新日:2023.04.27 18:41
4月26日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、2070年までの「将来推計人口」を発表した。出生中位推計に基づけば、2020年に1億2615万人だった日本の総人口(外国人を含む)は、2056年に1億人を下回り、2070年には8700万人となり、現在より3割減少するというのだ。
「2017年の推計では、1億人割れを2053年と予測していましたが。平均寿命の伸びと外国人の増加で、減少ペースはわずかに鈍化しています。しかし、2040年代以降は高齢化率が4割近くで高止まり。超高齢化がさらに進むことが予想されます」(社会部記者)
【関連記事:少子化対策はなぜ失敗するのか…江戸時代も独身が多かったのに現代と何が違う?】
少子化も進む。2070年の合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む子どもの数に相当)は1.36で、下方修正となった。平均寿命は男性が81.58歳から85.89歳、女性は87.72歳から歳91.94歳としている(いずれも出生中位仮定)。
「この数字どおりになれば、国際競争力が鈍化するのは間違いありません」と指摘するのは、経営評論家の坂口孝則氏だ。
「『人口1億人現地調達説』という言葉があります。人口が1億人いる国は、自国内でさまざまなものがすぐ手に入る、というもので、ヨーロッパは各国単独だと人口が1億人にならないため、EUを結成したという側面があります。日本も、人口が1億人を切ると、いままで普通に手に入っていた素材などが手に入らなくなり、産業が成り立たなくなる恐れがあります」
また、今回の報道に困惑しているのは、産業界ばかりではない。妊娠中だという女性が「複雑な思い」を語った。
「いまより3割も人口が減って、国として成り立っていくのでしょうか。人がいないとものも売れないし、そうすると仕事もなくなり、国の税収も少なくなって、まともな医療も受けられなくなりそう。そんな時代になるのに、子どもを産んでしまって、逆に申し訳ない気持ちになります」
政府の少子化対策に対し、子どもが減っても、社会を維持する仕組みを考えるべきという意見も見受けられる。「外国から人材を招く」などの案もあるが、競争力の低下した日本という国に、はたして外国人を呼べる魅力は残っているのだろうか。
( SmartFLASH )