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鈴木宗男氏の訪露に再考促す維新執行部、背景にウクライナ批判ブログで「火消し騒動」過去の“トラウマ”

社会・政治 投稿日:2023.04.28 16:40FLASH編集部

鈴木宗男氏の訪露に再考促す維新執行部、背景にウクライナ批判ブログで「火消し騒動」過去の“トラウマ”

 

「日本政界で随一のロシア通」といわれる、日本維新の会副代表の鈴木宗男参院議員(75)が、5月3~7日の大型連休中、「旧知の人と会い、意見交換をしたい」と、ロシア・モスクワに渡航する申請を参議院に提出、4月26日に了承された。

 

 これまでも国民から「ロシアに人脈があるんだから、プーチン大統領を説得したらどうか」という声が多くあった鈴木氏だったが、2023年1月7日のブログに

 

 

《そもそも論として日本の国益の観点からして、ロシアとウクライナどちらが大事だろうか。北方領土問題があり、漁業交渉があり、肥料の原料、何よりも日本の一番のウィークポイントであるエネルギーの安定供給に、ロシアは日本にとって死活的に大事な国ではないか》

 

 と書くなど、ロシア寄りの立場だったこともあってか、ウクライナ侵攻問題解決について、行動に移すことはなかった。それがなぜ、いまになって訪露を決めたのだろうか。

 

「4月26日に、中国の習近平国家主席が、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談したことが大きかったのではないでしょうか。ここで習主席は『できるだけ早い停戦や、平和の回復のために努力する』と述べ、仲介役をはたすことを強調し、ゼレンスキー大統領も『長く、合理的な会談だった』と成果を語りました。停戦に向けた進展があるとみて、鈴木氏の訪露は、情報収集の目的と、存在感を示す意味も兼ねていると思います」(政界関係者)

 

 ところが、当の維新の会そのものが、この行動に頭を抱えているという。

 

「26日、維新の藤田文武幹事長が、定例の記者会見で『党が了承するかも含め、いまは検討段階。行くか、行かないかは白紙』と発表しました。馬場伸幸代表が鈴木氏に『時期と、それが及ぼす影響を考えていただきたい』と、やんわり再考を求めたことも明らかにしています」(政治担当記者)

 

 じつは、鈴木氏のロシアに対する態度について、維新には“トラウマ”があるという。政治ジャーナリストが解説する。

 

「鈴木氏が2022年10月10日のブログで《ウクライナのゼレンスキー氏が7日、『ウクライナはロシアの占領下にある北方領土を含む日本の主権と領土の一体性を尊重することを確認する』と大統領令に署名したと報道されている。単純に考えれば日本を支持する立場のように見えるが、有難迷惑な話である》と発信しました。要は『外交は積み重ねが大事なので、急にそんなことを言って、ロシアを刺激しても得にならない』ということなのですが、こういった歴史的経緯に当時の松井一郎大阪市長・同党顧問が理解を示したら『維新はロシア擁護なのか』という批判が殺到。結果として、党が火消しに走る、という出来事がありました」

 

 このことが、訪露への慎重姿勢につながっているというのだ。鈴木氏は「渡航先で要人と面会できるめどが立たなかった場合、渡航をとりやめる」という意向を示しているそうだ。本当に停戦の仲介ができるなら、訪露は歓迎されるべきなのだろうが、はたして――。

( SmartFLASH )

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