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岸田首相“電撃解散”でしゃぶり尽くす安倍元首相「一周忌弔い総選挙」G7開催&支持率回復で「揺さぶり作戦」も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.17 06:00 最終更新日:2023.05.17 06:00
永田町に詰めていた、全国紙の政治部記者はこう話した。
「金曜夕方の議員会館に、ほとんどセンセイの姿がありません。これは“確定”では……」
会期中の国会議員は、平日こそ東京にいるが、週末は選挙区のある地元に帰る。それは、選挙に向けた活動こそが、彼らの生命線だから――。
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岸田文雄首相(65)は『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)に出演するなど、“広報活動”にかなり力を入れている。
だが裏目に出たのは、米国老舗ニュース誌「TIME」のインタビュー。自らが写る表紙に “軍国主義者” 扱いする見出しが添えられ、政府として緊急抗議をする羽目に。
ただ、そんな事故もおかまいなしに、一時は危険水域といわれた内閣支持率がどんどん上昇を続けている。
「もともと、2024年に控える自民党総裁選を前に、2023年中には解散総選挙があるとささやかれていました。しかし、ここにきて早期解散の動きが出ています。広島でのG7サミットを終え、6月21日の通常国会会期末に解散、最短で7月9日投開票という日程です。
これは、選挙期間中に故・安倍晋三元首相の一周忌である7月8日を迎え、総選挙に安倍氏の“弔い合戦”の意味を持たせることができるからです」(同前)
4月の統一地方選と、同じタイミングでおこなわれた5選挙区の衆参補欠選挙を4勝1敗で切り抜けた岸田首相だったが、総選挙は楽勝ムードではないという。
政治ジャーナリスト・野上忠興氏はこう話す。
「次の総選挙では間違いなく日本維新の会が躍進し、自民党は苦戦を強いられます。そこで、岸田首相は“安倍元首相の一周忌”という政治イベントをしゃぶり尽くす肚(はら)です。
奈良県の銃撃現場で手を合わせての第1声や、昭恵夫人に応援演説をお願いするくらいは当然、やる。これは、維新の会に安倍シンパの保守票が流れるのを防ぐ妙手ですよ」
支持率回復と外交実績で、無敵状態の首相は、勢いそのままに解散権を発動。そして、その力で安倍元首相の出身派閥をも掌握しようとしている。
「会員が100人超になった自民党最大派閥の清和会(安倍派)には、首相をはじめとした執行部を批判するタカ派議員も多くいました。
しかし、清和会は1回生議員や、選挙面で不安を抱える議員も多く、岸田首相の早期解散のカードは『選挙に落ちたくないだろ?』と言わんばかりに、彼らを揺さぶります。
解散風で党内批判を抑え、2024年の総裁選では、清和会から対抗馬を出させないまでに無力化させることを狙っています」(自民党関係者)
メディア露出では多少のミスがあったが、こちらの作戦は万全?
写真・長谷川 新