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ネコに喋る「ひふみん」ほか藤井聡太だけじゃない天才棋士列伝
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.08.11 11:00 最終更新日:2017.08.11 11:00
藤井四段の登場で、にわかに注目されるようになった将棋の世界。しかし彼以外にも、いろいろな意味で目を離せない棋士がたくさんいる。
まずは、棋譜だけでなく路線図も頭に叩き込む羽生善治三冠(46)。将棋史上初の七冠独占、その後も同年代のライバルたちを退け、さらに若き挑戦者の多くをなぎ倒し続ける。さらなる進化を見せてくれるかもしれないと期待されている羽生は、移動はほとんど電車と徒歩のみ。
「都内の地理や電車の乗り換えにも詳しく、地方に行っても、券売機の上にある路線図を熱心に見つめていたりします」(将棋ライター・後藤元気氏)
抜群の記憶力がここでも生かされている。
次に、先日引退し最後まで奇行を起こし続けた「天才」加藤一二三九段(77)。史上最年少で四段になり、「神武以来の天才」と呼ばれた。しかし史上最年少記録は藤井四段に更新され、6月20日には高野智史四段との対局に敗れ、引退へ。
「『集中できない』と旅館の滝を止めさせる、ねこに『将棋に興味があるのかい?』と話しかけるなど伝説を残しました。最後の対局は矢倉で戦い、昼食にうな重、夕食に天ぷら定食を注文。全盛期と変わらぬ闘志と食欲を見せました」(同上)。
ものまねで相手を笑わせる特技を持つのは、藤井猛九段(46)。まず玉を囲うべしという従来の固定観念を疑い、初手から指し手の価値を最大限に突きつめる「藤井システム」を考案。
「彼の振り飛車は、将棋そのものの構造に革命をもたらした名建築家といった趣きがあります」(同上)
そんな藤井九段の特技は棋士のものまね。
「口調や動きなど本当によく観察しています。会話の中で急にやりだすので、油断していると笑いのツボに入って大変なことになります」(同上)。
将棋は九段でもパソコンは「10級」なのは、森内俊之九段(46)。羽生三冠らとともに「黄金世代」と呼ばれ、少年時代から活躍。今春にフリークラス転出(順位戦への不参加)を宣言し、キャリアにひとつの区切りをつけた。
「5月から将棋連盟の専務理事となり、精力的に活動されています。同じく理事になった鈴木大介九段によれば『鈴木パソコン8級、森内パソコン10級。若い子に教わりながらやっています』とのことでした」(同上)
妻が「将棋漫画」を連載中の渡辺明二冠(33)。タイトル防衛戦にめっぽう強く、竜王は連続9期、棋王は連続5期在位。
「近ごろは後輩の突き上げも激しく、ここ数年が正念場です」(同上)
将棋連盟フットサル部の部長を務め、プレー時はコウチーニョ(リバプール)のユニホームを愛用。
「奥さまは漫画家で、『別冊少年マガジン』(講談社)で『将棋の渡辺くん』を連載中です」(同上)。
元祖28連勝棋士はねこ大好き、神谷広志八段(56)。2012年5月、NHK杯戦対局前のインタビューで「2日後は私がかわいがっていた『トラにゃん』の三回忌。恥ずかしい将棋は指せない」と語った。残念ながら負けてしまったが、全国の愛猫家の涙を誘った。
谷川浩司九段(55)は、中学2年で四段になり、21歳で史上最年少名人に。
「甲殻類が苦手。私が以前、谷川九段と宴席で隣になったとき、立派な伊勢海老の皿が回ってきたのですが、私も甲殻類が苦手で。伊勢海老が2皿ともスルーされて、もうひとつ隣の方に行きました」(同上)
対局の妨げになるほど詰将棋が好きなのは、斎藤慎太郎七段(24)。奈良市出身で「西の新王子」と呼ばれるイケメン棋士。詰将棋を愛しすぎていて、ふだんは「対局の勉強の妨げになるから」と、詰将棋の時間をセーブしているほど。
「しかし、年に一度の『詰将棋解答選手権』の日だけは、“合法的に”やっていい日。2011年、2012年と、2年連続で詰将棋解答選手権のチャンピオンになりました」(将棋ライター・直江雨続氏)