年金の「第3号被保険者制度」について、SNSで論争となっている。第3号被保険者は、サラリーマンや公務員などに扶養されている主婦(主夫)が対象で、自分で保険料を納付する必要がない。そのため、かねて「専業主婦優遇」といわれてきた。
5月18日、労働組合の中央組織「連合」が開催した中央執行委員会で、「第3号被保険者制度を廃止すべき」との考えを検討――と「産経新聞」が報じ、Twitterでは「専業主婦」がトレンド入りした。
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「この制度は1986年に始まったもので、専業主婦の保険料は、配偶者が加入している年金が負担する仕組みです。そのため、単身者や共働き世帯から不公平という批判が絶えません。自営業者の場合も、配偶者は『第3号』にならず保険料の負担があるため、やはり不公平との声が多いのです。
また、この制度には、女性の就業を抑制しているとの指摘もあります。いわゆる『130万円の壁』で、第3号の優遇措置を受けるため、働く時間を調整する人も多いからです。
厚生労働省の資料によると、第3号被保険者は2022年3月末時点で、763万人。第3号被保険者制度が消えた場合、大きな負担がかかることになり、『専業主婦はおいしい』という時代は過去のものになります」(経済担当記者)
SNSでは、
《社会保険料上乗せする前に、第三号無くすべき。ほんと不公平な制度》
《専業主婦は夫の収入が高いほど増える傾向があります。その負担を社会が背負うのは不公平ですし女性の社会参加の阻害要因にもなっているので廃止が望ましいです》
《多少免除条件は付けた方がいいと思うけど当然の流れだわ》
と賛成意見が多数ある一方、
《少子化の一因が非婚化なので、3号廃止にして結婚で軽減される要素減らしたら少子化加速させると思うけど》
《子育てや介護は報酬はないけど、優遇って言い方はなんか違うと思う》
《ああ、もう転勤族は終わりだよ。転勤廃止にするか、一般的な正社員の2倍以上給料出さないとみんな辞めるよ》
など、制度廃止に反対する意見も多数ある。
2022年に衆議院の調査局が作成した『国民年金第3号被保険者制度についての一考察』と題する論文には、以下の記述がある。
《現状、第3号被保険者制度は、就業意欲はあるが働けない人や子育てに専念したい人など、多様なライフスタイルに対応する役割を持ち、また、一般に、女性は男性と比べて、結婚や育児等のライフイベントによって就業を中断せざるを得ない状況があることを踏まえると、第3号被保険者本人に一律に保険料負担を求めることは、やや性急な議論であるようにも思われる》
立場が違えば、見え方が変わるのは当然。まだまだ議論が必要な問題だろう。
( SmartFLASH )