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相次ぐ「高齢者宅強盗」情報収集の手口を専門家が語る「便利ツール」に潜む危険「SNS、置き配は要注意」

社会・政治 投稿日:2023.05.26 17:30FLASH編集部

相次ぐ「高齢者宅強盗」情報収集の手口を専門家が語る「便利ツール」に潜む危険「SNS、置き配は要注意」

5月25日、事件があった住宅付近に集まった捜査員ら(写真・共同通信)

 

 5月25日、東京都江東区の住宅に3人組の男が侵入し、現金を奪って逃走する事件が発生した。犯人らは、この住宅に住む70代の女性と鉢合わせしたが、「騒いだら殺すぞ」と脅し、犯行に及んだという。

 

 警視庁は犯人の行方を追っているが、最近、高齢者の住宅を狙った強盗についての報道は後を絶たない。

 

 2023年1月、東京都狛江市の住宅で住人の90歳の女性が殺害され、高級腕時計など60万円相当が奪われた事件は記憶に新しい。犯人は、どのようにして高齢者宅をピンポイントで見定め、「この家には金がある」と情報を収集しているのか。危機管理に詳しい企業「リスクヘッジ」の代表取締役・田中優介氏に聞いた。

 

 

「犯人は、さまざまなところから情報を集めています。その方法は大きく3つあります。ひとつめは、株や宝くじ、遺産相続などで大金が入ったことを気軽に友人に話してしまい、その友人が別の友人に話して……とつながっていくうちに、犯人の耳に入ってしまうパターンです。

 

 2つめはSNSです。いまは、高齢者もブログやTwitterを活用しています。立派な家や庭、旅行に行ったときの写真などをアップしたりすると、犯人はそこから『この家には金がある』と見当をつけてしまいます。

 

 そして3つめは、簡単に第三者の目にふれてしまう高価なものや車。家にベンツが何台も停まっていたら、お金があることが容易にわかってしまいます。対策は難しいと思いますが、犯人は車などで町を走って、こうした家の情報を入手しているのです」

 

 生活を便利にするスマートフォンだが、「安易に写真に撮って公開すると、シュレッダーにかけた紙をつなぎ合わせるように断片的な情報を集められ、住所などが割りだされてしまいます」と田中氏。店や病院、電柱の住所表示などの写り込みには要注意だ。

 

 昨今、多くなってきた宅配荷物の「置き配」にも“罠”が。

 

「犯人が置かれている荷物を見て、どういったものを購入しているのか、チェックしている危険性もあります。その内容で、狙った家の資産状況が推測できるのです」(田中氏)

 

 また、宅配物を取るために玄関を開けたと同時に押し入られてしまう危険もある。

 

 万が一、犯人に入られたらどう対処すればいいのだろうか。田中氏がアドバイスする。

 

「けっして反撃しないでください。力では負けます。ヒモを引くと音が鳴る緊急ブザーや、催涙スプレーなどを用意しておくといいでしょう。音が鳴れば犯人はスイッチを切ろうとします。催涙スプレーがかかれば慌てます。そこで時間を稼いで、とにかく逃げてください」

 

 SNSに置き配……便利なツールを使う前に、これらのことを知っておきたい。

( SmartFLASH )

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