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「マイナカード」トラブル続きで3大臣が陳謝も…河野大臣の「感度が低かった」に集まる批判「言い訳になってない」「神経逆なで」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.05.29 16:27 最終更新日:2023.05.29 16:34
政府が普及を進める「マイナンバーカード」をめぐって、他人の情報が登録されるなどのトラブルが続出。5月26日、関係する3大臣が謝罪に追い込まれる異例の事態となった。
総務省をめぐっては、「マイナポイント第2弾」で、誤って別人にポイントを付与する事案が少なくとも90自治体で計113件あった。
5月26日、松本剛明(たけあき)総務相は、記者会見で「本人が受け取るべきポイントが別の人に付与される事案が発生したことは、誠に申し訳ない」と述べ、「これまでのマイナンバーカードをめぐるさまざまな事案につきましても、ご迷惑をおかけをした方々には大変申し訳なく、お詫びを申し上げたい」と謝罪した。
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厚労省をめぐっては、「マイナ保険証」で情報の誤登録が7312件、このうち個人情報を閲覧されたケースが5件確認されている。
5月26日、加藤勝信厚労相は記者会見でこう謝罪した。
「医療保険のオンライン資格確認については、保険者が登録した加入者データに誤りがあり、別の方の資格情報が紐づいてしまって、結果的にご自身の薬剤情報を他の方に閲覧される事案が生じたことは、まずその方に対して大変ご迷惑をおかけしました。国民のみなさまにもご心配ご懸念をおかけしていることについて申し訳なく思っております」
デジタル庁をめぐっては、マイナンバーに別人の銀行口座が紐づけられた事例が、全国で14自治体、計20件あった。
5月26日、河野太郎デジタル担当相は記者会見でこう謝罪した。
「まずコンビニ交付サービスでの誤交付、あるいはマイナ保険証、公金受取口座、それにマイナポイントでの誤登録といったマイナンバーカードの利用に関連する一連の事案が起きていることで、国民のみなさまに不安を与えることになってしまい、大変申し訳なく思います」
そのうえで、発表がこのタイミングになった理由について問われ、こう答えた。
「本来は事案が最初に起きたとき、こうした事案が起きていますということを横展開できれば、あるいはそこでシステム的な対応がとられていれば防げたミスではなかったかと思っております。
マイナポイントの支援システムの改修のお願いみたいな形で上がってきて、このシステムの改修をどうするかという議論にひとつはなってしまったのではないかなと思っております。
少しデジタル庁としての感度が低かったというところは、お詫びを申し上げなければならないと思っております」
3大臣が謝罪する異例の事態にSNSでは批判的な声が多くあがっている。
《3大臣が雁首並べて陳謝…。謝るだけか? 普通なら内閣総辞職です。そして、ともかく中止するのが筋でしょう》
《ちょっと前なら大臣全員辞職する勢いの事件なのに、謝って終わりかよ》
《個人情報の流出。致命的な事故が短期間にこれだけ発覚。この重大インシデントはマイナンバーカードがある限りいつまでも在り続ける。関係者は責任を取り、制度の白紙撤回を》
さらに、河野デジタル担当相が「デジタル庁の感度が低かった」と謝罪したことに、ツッコむ声も。
《なんやねん「感度が低かった」って。言い訳にもなってない。そして誰も責任を取らないし、政策の失敗であることも認めてない。そんな杜撰なものをどう信頼しろって言うんだよ》
《マイナンバー問題で「感度が低かったことお詫び」?? ご本人は気の利いた表現のつもりなのかもしれないが、どうにも神経逆撫でされるようで…そもそもマイナンバー制度自体に問題ある》
《ラジオじゃないんだから【感度が悪かった】って何?!しかもデジタル庁として感度が悪かったって。ご自身の感度の反省でもない》
《この人ってなんていうか、成功したら自分のお陰(ハンコ)、失敗したら現場のせい(まあ監督は自分ですけどやったのは現場だからね?)みたいなとこあるよね》
現行の健康保険証の廃止方針を最初に示したのが河野デジタル相だ。2022年10月13日の記者会見で、河野氏は突然、2024年秋をめどに廃止し、マイナカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えるとした。
国会では、「マイナ保険証」に一本化するマイナンバー法など関連法改正案がすでに衆院を通過し、参院で成立目前だ。成立すれば、カードを持たない人が保険診療を受けるには、新たに発行する「資格確認書」が必要になる。「資格確認書」は申告制で1年ごとに更新が必要だ。
だが、朝日新聞が5月27・28両日に実施した世論調査で、健康保険証を2024年秋に原則廃止し、マイナ保険証として一体化することに「反対」が55%で、「賛成」の40%を上回った。同時期に共同通信が実施した世論調査では、トラブルが相次いでいるマイナンバーの活用拡大に「大いに不安を感じている」「ある程度不安を感じている」との回答が計70%にのぼっている。
このままマイナンバー法など関連法改正案が成立すれば、政府の「感度が低かった」と言われかねない。
( SmartFLASH )