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授業料「年間500万円」超高級スクールの閉鎖に広がる困惑…見学した男性は「校舎にホコリが」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.02 06:00 最終更新日:2023.06.02 11:39
「認可外の保育施設ですが、港区が独自に立ち入り調査をしたそうです。閉鎖後の仮校舎も、現在はクローズしているとのことです」
そう語るのは、港区役所からの現状報告を受けたという港区議の新藤加菜氏だ。
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都内屈指の高級住宅地、港区西麻布にある児童教育施設「C(仮名)」が家賃滞納を理由に施設所有者から明け渡しを求められ、東京地裁の執行官の強制執行を受けて閉鎖された。
5月30日のテレビ朝日の報道によると、年間500万円以上という授業料の返還や施設再開の目途について運営側から具体的な説明がないことから、およそ100人いる保護者に困惑が広がっているという。大手メディア関係者が語る。
「『C』は2011年に設立。報道では『インターナショナルスクール』または『プリスクール』と報じられていますが、区や都、国から教育機関としての認可は受けていない、いわば “私塾” です。
裁判の末、2017年11月までに立ち退くことで施設所有者と和解したものの、施設の使用を続けたため、今回の措置になりました。3月以降はいつでも強制執行できる状態でしたが、家主であるスイス企業日本法人が、教育施設であるという公共性を考え、再三の猶予を与えたようです」
「C」創立者のリナ・ローズ(本名・高桑里奈)氏は、伊ブランド「プラダ」の日本法人幹部だった2009年、同法人の人事考査が女性差別的におこなわれているとして提訴(裁判では敗訴)。
国連人権高等弁務官事務所が、日本人女性の労働環境を改善するよう日本政府に勧告したきっかけを作った人物として、おもにファッション業界で国際的に知名度が高い人物だ。
子供を通わせるため、「C」を複数回見学したことのある男性がこう語る。
「『C』の株主には有名セレクトショップの創業者もいるとされ、校内で着用する “標準服” にはその創業者が関わったといいます。校内言語は英語で、児童は英語、フランス語、スペイン語の必修以外に中国語と日本語も学べるということです。児童の7割は日本人ですね」
インターナショナルスクールへの進学準備カリキュラムもあると学校案内にあるが、入学実績は未公表だ。
「学費は非常に高額で、入学には出願料が5万円、登録料が36.5万円、年間授業費が288万円で、なんらかのクラブに入ると381.6万円になります。
さらに、付加価値的な授業を受けると1授業ごとに費用がかかるので、すべての授業を履修すると年間700万円程度になります。これは一般的なインターナショナルスクールと比較して2倍近い学費です」(同)
「C」には有名芸能人の子供が通っていたという情報もある。一方で、保護者からはスタッフ不足による運営上の不満が、ここ数年、寄せられていたという。
「施設は立派ですが、掃除が行き届いておらず、ホコリがあちこちに溜まっていました。2021年には、リナ氏の息子で元アイドルのナポレオン・スター氏が15歳にしてクリエイティブディレクターに就きましたが、教育に関する学位や専門知識があるわけでもなく、実際、校内で見かけても特になにかをしているようには見えませんでした」(同)
子供の英語力を気にして登校させた家庭が多いというが――。
「『C』の外国人の教師はマルチタスクで授業を受け持っていて、語学教育の専門性があるようには見えませんでした。英語教育で定評のある民間学童(学童保育)は、紹介制のところが多くてなかなか入れません。多少のことは我慢した父兄が多いと思います」(同)
メディアの取材にリナ氏は、「自分たち(施設運営者)は100%悪くない」と答えている。
前出の新藤区議は、児童へのメンタルケアが必要だと話す。
「当面は休校になるそうですが、保護者の多くは一刻も早い再開を求めています。ただ、認可外の教育施設であるため、運営について、港区としてはこれ以上の指導も関与もできないのです。
授業料の返還などは民事裁判になると思います。しかし、児童が友達や学ぶ機会を突然失ったのは事実です。精神面のケアが必要だと思います」
いちばんの被害者は児童たちだ。
( SmartFLASH )