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投資のプロが選ぶ「キシダノミクス上昇株」政局は9月解散にシフト、狙い目は増税政権の「恩恵銘柄」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.18 06:00 最終更新日:2023.06.18 06:56

投資のプロが選ぶ「キシダノミクス上昇株」政局は9月解散にシフト、狙い目は増税政権の「恩恵銘柄」

「異次元の少子化対策」を掲げ、積極的に子育て支援施設などを訪問。年間3兆円台半ばの予算確保を指示した(写真・共同通信)

 

 藤井氏をはじめ、少子化対策でよく名前があがったのはJPホールディングスだ。

 

「子育て支援業界ではいちばんポピュラーな存在で、2023年3月期は増収増益なうえに、過去最高益を達成しています。学研ホールディングスが筆頭株主になっているのも注目ポイントです」(藤井氏)

 

 続けて、藤井氏が注目銘柄であげたのは川崎重工業だ。「ブルーインパルス」で使用される「T-4」を製造する同社が、防衛銘柄で注目されるのは容易に想像できるが、グリーン環境エネルギー事業でも期待がかかっているという。

 

「同社はエネルギー利用のために水素を長期間、安定して保冷した状態で海上輸送するための、運搬専用貨物タンクの技術開発が完了したことを発表したばかりなんです」

 

 このように“キシダノミクス”で、複数の恩恵を受ける企業はほかにもある。「兜町カタリスト」編集長の櫻井英明氏は、こう教える。

 

「6G通信や量子計算機に加えて、サイバーテロなどの防衛面でも注目されるNTT(日本電信電話)です。6月30日からは、これまでの1株が25株に分割されることで、個人投資家でも手を出しやすくなるでしょう」

 

 いま、全世界で注目を集める対話型AI「ChatGPT」だが、岸田首相はいち早く同AIを公開したOpenAI社のCEOと首相官邸で面会するなど、強い関心を寄せてきた。こうした、技術革新を前向きにとらえる政府の姿勢も注視すべきだろう。

 

「経済安全保障による“脱中国”の流れで日本の立ち位置を強化し、欧米などにも『日本をアジアの拠点に』とアピールしたい、政府の意図が見えます。半導体受託製造の最大手・台湾積体電路製造(TSMC)も現在、工場を建設中の熊本県に、第2工場建設を計画していることを明らかにしました。

 

 こういった流れを受けて、キシダノミクス銘柄ではあげませんでしたが、技術者派遣企業の老舗・アルトナー、熊本に拠点を造った製造業向け派遣大手・日総工産にも注目しています」(前出・木村氏)

 

 ここまで紹介してきた「恩恵銘柄」は有名銘柄も多く、1単元(購入する上で最小限の株数)あたり数十万円から100万円超のものがしばしば。では、資金力が豊富ではない個人投資家ができる「買い」とは。前出の櫻井氏が話す。

 

「ETF(上場投資信託)も考えてみましょう。日経平均レバレッジ上場投信(1570)の購入か、7月から始まる新指数『JPXプライム150』を原資産とするETFを今後、探してもいいと思います」

 

“検討使”と揶揄され続けた岸田首相の判断に、今後も注目が集まる。最後に杉村氏はこう忠告する。

 

解散の場合、投票日までは“買い”。そこでうまく利益を望むなら、仕かけを早くするしかありません。投資の世界では『遅れたものは悪魔の餌食』と言いますからね」

 

 就任当初、金融所得課税強化などを表明し、市場では株価急落の“岸田ショック”が起きていた。またも首相の決断で、右往左往することになるのかも。いずれにせよ、投資は自己責任で!

( 週刊FLASH 2023年6月27日号 )

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