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所得300~600万円の子供がいる家庭は44%の衝撃 10年で21ポイント減、「子供を持つことが贅沢」の時代に

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.21 17:00 最終更新日:2023.06.21 17:00

所得300~600万円の子供がいる家庭は44%の衝撃 10年で21ポイント減、「子供を持つことが贅沢」の時代に

岸田文雄首相の訴える「異次元の少子化対策」と教育費の問題は切っても切れない関係にあるが…(写真・長谷川 新)

 

 6月21日、日本経済新聞で連載されている記事「教育岩盤」が、第一生命経済研究所の星野卓也主任エコノミストの分析を紹介した。それによると、世帯主が20~30代で、年間所得300~600万円の世帯のうち、子どもがいる比率は44%(20年)。10年間で21ポイント下がったという。一方、600~1000万円の世帯では、ほぼ横ばいが続いている。

 

 家庭の経済事情と出生数の関係性を裏づける内容だが、それは年々、増加傾向にある教育費と無関係ではないだろう。教育費がどれほど家庭に負担を及ぼすのか。その数字が、2022年12月に文部科学省が公表した『令和3年度子供の学習費調査』にある。

 

 

 同調査によると、公立小学校に通う小学生1人あたりにかかる「学習費総額」は、平均すると年間約35万3000円。3年前の調査から約3万円、増加していた。

 

 その内訳は、学用品・実験実習材料費や通学用品費、修学旅行費といった「学校教育費」に約6万6000円、「学校給食費」に約4万円(無料の自治体もある)。さらに大きなウェートを占めるのが、学習塾費などの補助学習費、スポーツや習いごとなどを合わせた「学校外活動費」の、約25万円。じつに、教育費総額の約7割を占めている。

 

 また、入学時の費用がかさむ小学1年を別にすると、高学年になるにつれて学習塾の費用などが増え、公立の小学6年では、年間約42万円になっている。

 

 この調査では、市町村の人口規模別に学校外活動費も記されている。それをみると、人口「10万人未満」で約17万7000円、「100万人以上・特別区」では約37万2000円と、2倍以上の開きがあった(公立小学校の場合)。

 

 こうした負担感が少子化の一因になっていることは間違いない。

 

 2023年にソニー生命保険がおこなった調査では、「子どもの教育費の負担を重い」と感じる親が66.9%。「教育資金について、どの程度不安を感じる」という親は75.4%だった。就学段階別にみると、「中高生」で79.0%、「小学生」で78.6%、「未就学児」で76.2%、という割合だった。

 

 同紙のなかで星野氏は「子どもを持つことが贅沢と考える人が増えかねない」と指摘している。この言葉が、杞憂に終わってほしいものだが……。

( SmartFLASH )

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