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プーチンを取り巻く「3人の影武者」クーデター騒動の裏で…“本物”はクレムリンの地下壕に籠城か
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.27 06:00 最終更新日:2023.06.27 06:00
まさに内憂外患――。
6月24日、ウクライナ軍が反攻作戦を続けるなか、ロシア国内では、プリゴジン率いる民間軍事会社ワグネルによる軍事クーデターが発生した。
「24日には、ウクライナ国境に位置するロストフ州のロストフ・ナ・ドヌ市にある南部軍管区司令部を戦車で包囲し、制圧しました。プリゴジンは連日『プーチンは国防省にだまされている』『軍指導部の悪を阻止しなければ』『正義の行進だ』と主張し、モスクワへ“進軍”すると宣言しましたが、結局、取りやめました。しかし、情勢は不安定なままです」(軍事ジャーナリスト)
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この事態を受け、プーチンはテレビ演説に登場したが、当の本人は、地下壕に籠っているかもしれない……。専門家の間で、メディアに登場するプーチンが“影武者”であるという説が飛び交っているのだ。拓殖大学海外事情研究所の名越健郎教授が語る。
「発端は、2022年12月5日のクリミア大橋訪問です。じつはその日の夕方、プーチン大統領は、モスクワでおこなわれた式典に出席したのです。クリミア大橋からモスクワまで、車と飛行機で6時間かかります。クリミアを早朝に出れば間に合いますが、高齢のプーチンがこれほどハードなスケジュールをこなせるのか。ロシア人記者団の間でも『おかしい』という話が出たんです」
その後も“不自然”なスケジュールが続いている。
「2023年の3月18日には、1泊2日の日程でクリミアとマリウポリを訪問しました。しかし20日には、習近平がモスクワを訪れ1対1で会談しています。ロシアにとって、中国は非常に重要な存在です。歓迎する準備を考えると、やはり“不思議”な日程です」(同前)
そこで登場するのが「プーチンには影武者がいて、本人に代わり戦地を訪問している」という説だ。国際ジャーナリストの山田敏弘氏が語る。
「ウクライナの政府高官は、影武者説にたびたび言及しています。とくにキリーロ・ブダノフ国防省情報総局長は『整形手術を受けた影武者が3人いる』と明言しているのです。内務大臣顧問のアントン・ヘラシチェンコも『影武者はあごの形がプーチンと異なる』と指摘していますね」
これだけなら、あくまで“敵国”が発信する偽情報。ところが、ロシア国内では情報機関の元高官まで“影武者説”を推しているのだ。
「通称“SVR将軍”と呼ばれる人物です。通信アプリ・テレグラムを通じて、プーチンは深刻ながんに侵されており、ロシアメディアに登場するプーチンのほとんどは影武者であると主張しています。プーチンの行動日程や詳細な病状、クレムリン内での様子など、その情報は微に入り細をうがつものです。たとえば、3月14日には『昨日、大統領に似た男が航空機工場でプーチンらしからぬ感情を露わにした』と報告しています。プーチンは健康不安だけでなく、暗殺を極端に恐れています。実際、クレムリン周辺ではGPSすら歪められるほど、電波妨害がおこなわれていますからね。影武者説には、かなり信憑性がありますよ」(山田氏)
たしかに、影武者が登場したとされる各シーンには、不自然な点が多々ある。
「プーチンは昔からの癖で、歩くときに右手を動かしません。また、スピーチする際は身振り手振りをつけません。しかし、戦地の激励に訪れたプーチンは、真逆の行動を取っています。初の占領地視察として注目を集めたマリウポリでは、両手を前で握って歩きましたし、SVR将軍が指摘したとおり、航空機の製造工場を視察した際は、やたら手振りと抑揚の激しいスピーチをしたり……。“本物”のプーチンは、モスクワでおこなわれる一部の行事にのみ出席し、それ以外のほとんどは、クレムリンにある頑強な地下壕に籠っているのです」(前出・軍事ジャーナリスト)
地下壕の扉を開けるのは、プリゴジンか、ゼレンスキー大統領か……。
写真・アフロ、時事通信