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自民党・安倍派の大揺れ「呉越同舟」…世耕・松野・高木・西村・萩生田の5人体制、トップが決まれば派閥割れの可能性も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.06.29 19:35 最終更新日:2023.06.29 19:43
100人規模の議員を抱える自民党最大派閥の安倍派(清和政策研究会)。
2022年7月に安倍晋三元首相が死去してから会長の椅子は空席だったが、一周忌を前に、世耕弘成参院幹事長、松野博一官房長官、高木毅国会対策委員長、西村康稔経済産業相、萩生田光一政調会長の “5人衆” による集団指導体制になることが決まった。
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「5人は6月26日の夜に都内の料理屋で会い、正式に決めたようです。集団指導体制と聞くと円満なイメージですが、裏返せば誰もが納得するリーダーがいないということです。
最大派閥のリーダーは、すなわち総理大臣候補。森喜朗元首相は萩生田さんを推したようですが、旧統一教会のゴタゴタがありました。世耕さんは参院議員の40人をまとめていますが、永田町には長く『解散がない参院の議員が首相になって解散権を行使するのはいかがなものか』という声があります。
西村さんは自らポスト岸田に手をあげていますが、広がりと人望が今ひとつ。松野さんは地味だし、高木さんは当選回数が多いだけと言われています。
こういったことから、派内が割れないことを最優先したのでしょう」(政治担当記者)
長期間の会長不在は派内に動揺を生んでいた。
衆院小選挙区の「10増10減」の対象区である新山口3区の候補者調整では、安倍派は安倍氏の後継として4月23日の衆院補欠選挙で当選した吉田真次氏を公認するよう働きかけた。だが、結果は岸田派の林芳正外相が選ばれ、吉田氏は比例代表に回ることに。
安倍派内では、「このままでは、次の内閣改造と党役員人事でも冷遇されるではないか」といった声が高まっており、それが今回の集団指導体制につながったと見られている。
今後の安倍派はどうなるのだろうか。政治アナリスト・伊藤惇夫氏が解説する。
「今回の集団指導体制は、安倍さんが後継者を育成してこなかったことがそもそもの原因です。リーダーがいない組織は影響力が低下します。そのため、安倍派もどこかで誰かに決めないといけない時期が来るでしょう。
そのリーダーが西村さんなのか萩生田さんなのかはまだわかりませんが、トップが決まったとたん、派閥が割れる可能性は否定できません。
これまで清和会は、総理総裁を出し続けたことで結束力を保ってきましたが、今後しばらくはそれも難しいでしょうから、結束力を維持するのは大変です」
しばらくは大揺れとなりそうな安倍派の「呉越同舟」。「敵は身内にあり」ということのようだ。
( SmartFLASH )