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「子ども世帯」減って減ってついに1000万割れ…「今後は増えるよ」大甘予測がもたらした災厄

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.05 17:20 最終更新日:2023.07.05 17:20

「子ども世帯」減って減ってついに1000万割れ…「今後は増えるよ」大甘予測がもたらした災厄

子育て支援施設を視察する岸田首相(写真・共同通信)

 

 7月4日、厚生労働省が「2022年国民生活基礎調査」を公表した。その内容は、少子化のスピードが想像以上に速まっていることを示していた。

 

「注目されたのが『児童(18歳未満の未婚者)がいる世帯数』です。991万7000世帯で、統計を取ってから初めて1000万世帯を下回りました。全世帯に占める割合も2019年の前回調査から3.4ポイント低下の18.3%。こちらも過去最低です。

 

 また、世帯別の児童数を見ると『児童1人』が49.3%でほぼ半数になり、『2人』が38.0%、『3人以上』が12.7%でした」(経済担当記者)

 

 

 あわせて、65歳以上の高齢者世帯も公表されている。1693万1000世帯で、全世帯に占める割合は前回調査から2.5ポイント上昇して31.2%で初の3割超え。子供が減って老人が増える日本の現状が浮き彫りになった。

 

 ニュースサイトのコメント欄には、

 

子ども世帯が減ってる中で、1人の世帯が50%ってかなりまずいよね。特に若い子育て世帯に対して減税したり免税してあげれば、もう1人とか考えると思うんだけど、そんなこと絶対やらないだろうね》

 

《今29歳だけど、今の日本の子育てに対する社会体制、社会認識、政策では正直、懲罰レベルだと感じる。子育て世帯の税負担が一番大きいし、育休を取らない事を是とする古臭い風習が未だに企業で蔓延ってるし》

 

 など、厳しい書き込みが目立った。なかには《何十年も前から想定されていた懸念事項》だとし、対策を先延ばしにしてきた政府の責任を問う声もあった。

 

「日本では、これまでも人口の将来予測がおこなわれています。具体的には、『国立社会保障・人口問題研究所』が原則5年ごとに『日本の将来推計人口』を出しているんです。

 

 1995年、年少人口(0~14歳)は2003万人いました。1997年の中位予測では、2004年に1823万人まで減少するものの、その後は反転、2010年に1831万人でピークに達するとされています。しかし、現実には2010年で1648万人まで落ち込みました。

 

 合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産むとされる子供の数)はどうか。1995年は1.42でしたが、2000年に1.38まで低下した後は上昇に転じ、2030年以降、1.61あたりで一定水準を保つとされました。しかし、実際には2000年で1.36、2022年で1.26と過去最低となっています。

 

 これをみても、政府はひたすら楽観的な見通しをしてきたと言わざるを得ません。国民の目を気にして甘い数字を採用するからです。

 

 しかし、その数字で年金などの制度設計がなされますから、結果として10年、20年後に社会制度がガタガタになってしまうのです。いまの “災厄” は必然と言ってもいいでしょう」(同)

 

 今回の「国民生活基礎調査」について、日本経済新聞が《子育て世帯、所得は一般の1.4倍》との記事を出している。

 

《子育て世帯の平均所得は2021年に785万円で、全世帯の平均所得(545.7万円)の1.4倍だった。(中略)収入が少ないと子供を持ちにくいといった実態が浮き彫りになった》

 

 少子化と貧困化が進み、育児は “富裕層” の贅沢になりつつあるのかもしれない――。口では少子化対策を主張するが、実際にはなんら有効策を取らない岸田首相に、国民の不信は高まっている。

( SmartFLASH )

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