社会・政治
内戦の確率35%「アメリカで第2次南北戦争が始まる」説
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.08.23 06:00 最終更新日:2017.08.23 06:00
「アメリカはいま、第2次南北戦争を戦っている。国は道徳的・思想的・政治的に分断されている――」
2017年1月、保守系ラジオパーソナリテイで、コラムニストのデニス・プレガーが、雑誌『ナショナルレビュー』にこんなコラムを掲載し、現在のアメリカで起きている対立を予見した。
8月12日、アメリカ・バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者とそれに反対するグループの衝突が起きた。白人至上主義に抗議するデモ隊に車が突っこみ、32歳の女性が犠牲になった。
車で突っ込んで逮捕されたのはジェームズ・フィールズ(20)容疑者。KKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーが好む白のポロシャツを着て、白人至上主義側で参加していた。
事件を受けて、トランプ大統領はツイッターを更新。「我々は憎しみを非難し、一つにならなければならない。アメリカではこんな暴力は許されない。今こそ団結しよう」と呼びかけた。
続けて「たとえどんな肌の色、宗教、支持政党だろうと、間違いないのは我々みんながアメリカ・ファーストであることだ」と会見で表明。しかし、最初の段階で人種差別を批判しなかったため、トランプ大統領はバッシングされることとなった。
今回の事件の発端は、シャーロッツビルの公園に置かれていた南北戦争・南軍の司令官リー将軍の銅像が撤去されることに対する抗議。整理すると、
【南軍の銅像撤去→白人至上主義者が抗議→反対派がデモ】
という流れだった。まさに南北戦争の再来のような事態なのだ。
米紙『ニューヨーカー』は8月14日、「アメリカは新たな南北戦争に突入するか」という記事で、元アメリカ軍特殊部隊キース・マイン氏の話を取り上げている。
マイン氏は16年間、アフガニスタン、コロンビア、エルサルバドル、イラク、ソマリア、スーダンなどをまわり、帰国した。しかし、久しぶりのアメリカは、自分がかつて滞在した内戦中の国と似たような雰囲気だった。
マイン氏は、ほかの専門家とともに、政府から第2次南北戦争の可能性について意見を求められ、「今後10年から15年で60%の確率で内戦になる」と返答した。
ちなみに他の専門家のなかには95%と答えた人もおり、最終的に35%の可能性で新たな南北戦争が起こると結論づけられた。これはシャーロッツビルの事件が起こる5カ月前のことだ。
今回の事件以降も、南部ケンタッキー州レキシントン、テネシー州メンフィス、フロリダ州ゲインズビルなど、アメリカ各地で南軍の将軍像や記念碑の撤去が相次いでいる。
もちろん、こうした動きにこれに反対するデモも拡大の一途だ。トランプ大統領も、兵士像撤去の動きを「馬鹿げている」とツイートして抗議した。
日本では北朝鮮の核ミサイルの話ばかり報じられるが、実はアメリカは、いま「内戦」勃発の危機にあるのだ。