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米のクラスター弾供与「人道上問題」と大量保有国の中国が批判「どの口が言う?」SNSでツッコミ殺到
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.11 20:00 最終更新日:2023.07.11 20:00
米バイデン政権が、ロシアの侵略を受けるウクライナにクラスター弾の供与を決めたことに対し、ウクライナ支援で米国と結束してきた北大西洋条約機(NATO)加盟国からも批判の声が上がっている。
ロイター通信によると、7月8日、英国のスナク首相は記者団に「英国は、クラスター弾の使用や製造を禁じる条約に加盟している」と語った。
また、スペインのロブレス国防相も7月8日、「ウクライナの正当な防衛にはイエスだが、クラスター弾にはノーだ」と強調した。
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クラスター弾は、親爆弾に数十から数百個の子爆弾が入っており、空中で親爆弾が分解することで、子爆弾が広範囲にばらまかれる。紛争後も不発弾が民間人に被害を及ぼすため、2010年に使用や生産を禁じるオスロ条約が発効した。日本、英国、スペインなど、100カ国以上が加盟しているが、大量保有国とされる米国やロシア、中国などは非加盟のままだ。
7月10日には、中国外務省の毛寧副報道局長が記者会見で、「無責任な譲渡は人道上の問題を引き起こす」と批判。米国を念頭に「関係国家が火に油を注ぎ、矛盾を激化させ、ウクライナ危機をさらに悪化させるべきではない」と述べ、「慎重かつ自制的な態度」を取るよう訴えた。
だが、中国が米国のクラスター弾供与を批判したことに、SNSではツッコむ声が多く上がっている。
《クラスター弾を禁止する「オスロ条約」を批准せず、国防上の理由から現在も保有・生産して他国にも輸出してる中国がどの口で言うの?》
《中国は大量にクラスター弾を保有し、他国に譲渡しているくせに米国を非難する資格はないだろ》
《中国もクラスター爆弾あるし対人地雷を安価に輸出しまくって、しかも不発弾が多くて戦後も大量に残されてますよね 中国は軍事関係で批判するとほぼブーメランになりますよ》
《自国に甘く、他国に厳しい。相手にされない》
ICBL-CMC(地雷禁止国際キャンペーン/クラスター兵器連合)が毎年発行している「クラスター弾モニター報告書」の2020年版には、「中国とロシアは2020年に新型クラスター弾を積極的に研究し、開発している」という記述がある。その証拠として以下の例をあげている。
「2020年8月17日、中国の国営放送である中国中央テレビ(CCTV)は、開発中の最新のクラスター弾について報告した。 『Tianlei 500』、スカイサンダーと訳され、500kgの空対地クラスター弾で、発射点から60kmの範囲に240発の子弾を発射することができる」
国際人権NGOの「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、7月6日に発表した報告で、ロシアが2022年2月にウクライナに侵攻して以降、ロシア軍とウクライナ軍の双方がクラスター弾を使用し、民間人の死傷者が出ていると非難している。
米国はクラスター弾を備蓄しているが、2003年にイラクで使用したのが最後とされている。民間人の犠牲者はこれ以上、出てほしくないものだが……。
( SmartFLASH )