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静岡・川勝知事「1票足りず」不信任案否決で「ハードル高すぎ」の声…自主返上の「給料440万円」まるまる受領で批判
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.13 16:12 最終更新日:2023.07.13 16:19
静岡県議会で、7月12日、最大会派の「自民改革会議」から、川勝平太県知事に対する不信任決議案が提出された。その採決は日付をまたぎ、13日午前1時前に、賛成50、反対18で否決された。
「地方自治法により、首長の不信任決議には議員の3分の2が出席し、4分の3以上の賛成が必要となります。静岡県議会の定員は68人ですから、不信任決議には51票が必要ですが、1票足りませんでした。
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反対した18人は、川勝知事を支持する野党系や無所属の議員で構成される『ふじのくに県民クラブ』のメンバーです。4月におこなわれた統一地方選では、不信任決議に必要な51議席を獲得するかどうかが最大の焦点とみられましたが、わずかに足りなかったのです」(週刊誌記者)
2021年11月には、「コシヒカリ発言」で、同県初となる知事の辞職勧告決議が出され、可決。川勝知事は、辞職せず440万円あまりの給与やボーナスを「全額県民にお返しする」としながら、まるまる受け取っていたことが明らかに。その件を受けての不信任決議案だが、静岡県で提出されたのは50年ぶりだった。
川勝知事は、給与を返上しなかったことについて「議会で(返上の)承認をもらえないと、報酬の件は自分で決められない。勝手に返上できない。給与を返上するための条例案の提出についてさまざまな調整や努力をしてきた」などと釈明してきた。
しかし、不信任案を提出した自民会派の議員は、12日の県議会で「これまで正式に給与および賞与返上に関する条例改正の手続きが議会に対し上程された記録は一切ありません。いったい誰が嘘をついているのでしょうか。条例案は知事が提出しようと思えば提出できたわけで、提出を見送ったのはあくまで知事の個人的な判断」だと、厳しく追及している。
SNSでは、
《68人中50人は知事に相応しく無いと判断してた訳だもんな 3/4てハードルめっちゃ高いな》
《地方自治体の首長は独裁ができてしまうから不信任案はもっとハードル下げたほうがいいでしょう》
《あとはリコール運動しかないじゃん!》
などの声が。
これまで知事に対する不信任決議が可決されたのは4例。2002年には長野県の田中康夫知事に対する不信任決議が可決され、田中氏は知事失職を選択し、出直し選挙に打って出ている(結果は当選)。
また、リコールもハードルが高い。有権者の一定数以上の署名を集めると住民投票が可能になり、その住民投票で過半数の賛成があれば解職となるが、署名集めと住民投票という2段階を経る必要がある。静岡県の有権者は約300万人で、リコールには50万人近い署名を2カ月以内に集める必要がある。
川勝知事は13日、「県民に深くおわびしたい。非常に重く、真摯に受け止めている」と謝罪したうえで、「職務に専念するという決意に変わりない」と、辞職する考えがないことを明らかにした。
リニア工事の問題でも注目を集める川勝知事。任期は2年後の2025年6月までとなっている。
( SmartFLASH )