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「110番通報」は半年で8件の沖縄県阿嘉島に「移動交番車」が初の派遣 理由を役場に聞いた
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阿嘉島の街並み(写真・時事通信)
沖縄県那覇市から、高速船で約50分。座間味村(ざまみそん)は、東シナ海に浮かぶ慶良間諸島(ケラマショトウ)の西半分の島々からなる離島村で、座間味島、阿嘉島(あかじま)慶留間島(ゲルマジマ)の3つの有人島で人々が生活している。人口は3島合わせて約900人。観光業がおもな産業で、天然記念物ケラマジカが生息し、冬にはザトウクジラの群れが繁殖と子育てのために近海を訪れるという。
「いままで、ニュースになるような大きな事件や事故は聞いたことがない」と村民が言うように、阿嘉島と慶留間島には駐在所がなく、警察官が常駐していない。通常は、座間味島の座間味駐在所がふたつの島を管轄している。2023年1月から6月まで、座間味駐在所への110番通報は17件。そのうち阿嘉島と慶留間島からは8件という少なさだったというから、それも納得である。
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そんな阿嘉島に、7月20日から8月31日まで沖縄県警那覇署から「移動交番車」が派遣された。これは、初の試みだという。
「これまで、夏休みシーズンなど、島外から多くの方がお越しになるときは、島民のみなさんの安心・安全のためにその都度、那覇署から警察官を派遣していただき、車などでパトロールをお願いしていました。
今年はコロナ禍が明けて移動制限もなくなり、多くの方が来島されると思いますので『移動交番車』に来ていただくことになりました。警察官は1名で、1週間交代です。警察官の方の寝泊まりですか? 役場を使っていただいています」(座間味村役場担当者)
これまでも座間味村は、警察官が常駐する駐在所の実現を、県に要請してきたという。
「座間味島から阿嘉島までは船で約10分かかります。しかも台風が直撃すると、1週間も船が出せないことがあります。阿嘉島も慶留間島も、住民は常駐の警察官がいた方が心強いですよね」(地元関係者)
人が多くなればトラブルも増える。飲酒絡みの事故や水難事故など、「来島者」が関係する事案が目立つというから、気をつけていただきたい。