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富士登山鉄道、山梨県知事「県民は無料」案でも高まる不要論 建設費1400億円・往復1万円に「バスでよくね?」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.04 18:00 最終更新日:2023.08.04 18:00
8月3日、山梨県の「富士山登山鉄道構想」をめぐり、長崎幸太郎知事は、1人往復1万円とされる運賃について「山梨県民のみなさんからはいただかなくてかまわない」と述べ、県民とそれ以外の運賃に差を設ける可能性に言及した。読売新聞が報じた。
笛吹市内で開かれた自民党県連の会合で述べたもの。長崎知事は「県民の財産なので、オーナーからお金を取る必要はまったくない」として、外国人観光客から「ある程度、しっかりした値段を設定する」と語ったという。
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「富士山登山鉄道構想は、長崎知事が2019年、初めての知事選で掲げた公約のひとつ。2021年2月、県の構想では、山梨側の麓と5合目とを結ぶ有料道路『富士スバルライン』約28kmの軌道上に次世代型路面電車(LRT)を敷設。事業費を約1400億円と試算し、往復運賃1万円で、年間約300万人の需要を見込めるとしています。バスやタクシーを含め、自動車による5号目までのアクセスは廃止され、登山者数の適正化を図ることもできます。
ただ、富士スバルラインの通行料は普通車で往復2100円。また、富士山駅・河口湖駅から富士スバルライン5号目までのバス料金は、今シーズン大人往復で2800円。富士山登山鉄道の往復1万円は高すぎると、批判の対象となっていました」(政治担当記者)
山梨県の6月定例議会では、長崎知事が「富士山登山鉄道構想」にとって初めてとなる予算案を計上。構想の事業化検討費として約6200万円が可決、承認されたが、富士吉田市の堀内茂市長は、既に5合目まで電気バスが運行していることや、整備による環境破壊への懸念をあげ、あらためて反対の姿勢を示した。
富士山では、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年には506万人の観光客が山梨県側の5合目を訪れるなど、オーバーツーリズム(過剰観光)対策も課題となっている。
外国人観光客のなかには、徹夜で山頂を目指す「弾丸登山」による救助要請も相次いでおり、あくまで任意の入山料(保全協力金)1000円の徴収を義務化し、高額にすべしという声が多数ある。
だが、富士山登山鉄道の運賃を「県民は無料」とし、外国人観光客と差をつける長崎知事の案には、SNSで批判的な声が上がっている。
《鉄道を敷かなくても、電気バスでよくね? 線路を敷いて、将来ガラガラになったら悲劇》
《経営が上手く行かなくなったら県民の負担になりませんか?? 知事は辞めればお金の保証は無いのでは 県民に借金だけ残されても 慎重に発言をして欲しいです!!》
《出来上がるまで外国人観光客がわらわら来続けるとは限らない》
《現実性乏しい夢物語にしか聞こえなくなって来た感w》
構想からすでに4年。「富士山登山鉄道」が実現する日は来るのだろうか。
( SmartFLASH )