英スナク政権が新たに導入する不法移民対策が、日本でも話題を呼んでいる。
8月6日、英紙「デイリー・メール」が報じたところによると、英スナク政権が発表した新たな措置で、2024年の早い時期に、不法移民の雇用者に科される罰金が、従業員1人あたり最高6万ポンド(1100万円)と、3倍に引き上げられる。
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また、不法移民に部屋を貸した住宅所有者に科される罰金は、最高5000ポンド(92万円)に引き上げられるという。
英国では、雇用主と家主は、政府のウェブサイトで従業員や入居者に対するオンラインチェックをおこない、身分証明書のコピーを作成することが義務づけられている。
ロバート・ジェンリック移民大臣は「適切な検査を実施しないことに弁解の余地はなく、違反した者には大幅に厳しい罰則が科せられることになる」と語ったという。
5月に英統計局が発表した移民統計によると、2022年、英国に入った移民の数から同国を離れた人数を引いた純移民数は、過去最多の60万6000人で、48万8000人の前年から大幅に増えた。
特別ビザによる香港やウクライナからの入国が数字を押し上げた。英国では労働力不足が深刻で、移民流入を維持しないと社会が立ちゆかなくなる懸念もあるが、スナク首相は移民を抑制する方針を示している。
スナク首相が特に力を入れているのが、密入国者の取締りだ。
政府の統計によると、英仏海峡を小型ボートで渡ってくる密入国者は、2018年には300人程度だったが、2022年には4万5000人を超えた。受け入れ施設の費用などが年間30億ポンド(5490億円)以上かかることから、7月には、海峡をボートで渡ってくる密入国者たちの難民申請を認めないとする法律が成立している。
不法移民の雇用や住宅供給への罰金額を引き上げる狙いは、密航ビジネスを潰すことにあると報じられているが、こうした対策に、日本のSNSでは称賛の声があがっている。
《凄え…英国さん、次々と不法移民対策出してきてますね。正規の手続きを得た移民以外は認めないって強い意思を感じますわ。まあでもこれこそが、受け入れる国の責任でもあるんだよなあ》
《「犯罪はペイしない」を見せつけるのは良い手だ。日本も導入を!》
《何故日本政府はこれが出来ない!》
岸田文雄政権は6月、熟練した技能を有する外国人労働者が取得できる在留資格「特定技能2号」を現在の2分野から11分野へ拡大する案を閣議決定した。日本でも労働者不足は深刻な問題だが、岸田政権は不法移民に対して厳しい措置をとることができるだろうか。
( SmartFLASH )