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政府、ガソリン価格補助延長を検討「補助より減税」求める声も首相に「トリガー」引かせぬ「財務省の意向」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.23 14:35 最終更新日:2023.08.23 14:36

政府、ガソリン価格補助延長を検討「補助より減税」求める声も首相に「トリガー」引かせぬ「財務省の意向」

 

「このままガソリン補助金がなくなれば、年末にはレギュラーガソリンは1リットル200円になる。どうにかしてくれ」

 

 値段が上がり続けるガソリン価格に、国民からはそんな悲鳴が上がっていたが、岸田首相は8月22日、自民党の萩生田光一政調会長と首相官邸で会談、ガソリンなど燃料価格の高騰対策を8月中にまとめるよう指示した。

 

 

「政府は原油価格の落ち着きから、補助金を段階的に縮小してきました。しかし再び原油価格は上昇、円安になったこともあり、8月14日の時点でレギュラーガソリンの全国平均は、1リットルあたり181.9円になりました。これは15年ぶりの高値です。現在、かりに補助金がないと、さらに7円ほど上がり、189円になっています。

 

 首相は萩生田氏との会談後、記者団に『9月上旬には国民が効果を実感できるようにする』として、10月以降も何らかの補助を継続することを明らかにしました」(政治担当記者)

 

 いまのところ、予備費や既存予算の余剰分から、補助率は変わるだろうが従来どおり、補助金を捻出する案が有力視されている。しかし国民からは、補助ではなく減税を求める声が強い。そのキーとなるのが「トリガー条項」だ。

 

「トリガー条項は2010年、当時の民主党政権で法制化されました。ガソリン税とは揮発油税と地方揮発油税のことですが、現在は1リットルあたり53.8円が課税されています。このうち、本来の課税より25.1円が上乗せされていて、連続3カ月の平均小売価格が1リットル160円を超えたとき、上乗せ分の25.1円を一時的に免除する、というものです。しかし、2011年に発生した東日本大震災の復興財源をガソリン税から確保しているため、適用されたことはありません」(週刊誌記者)

 

 ネットニュースサイトにも《一時的な補助より、3ヶ月以上160円を超えた場合にガソリン税を25円下げるトリガー条項をはやく施行してほしい》《トリガーのほうが、明朗会計でわかりやすく、元売りを不当に儲けさせているという疑念を招くこともない》《トリガー条項含め何故時限的でも減税政策を実行しないのか》などの切実な書き込みが目立つ。

 

 野党はもちろん、連立政権を組む公明党、自民党内部からも「法律を改正してトリガー条項を発動させてはどうか」という声が上がっている。岸田首相はなぜ、かたくななまでトリガーを引くことに躊躇しているのか。

 

「税収が減ることに、財務省が徹底的に抵抗しているからです。岸田首相は『宏池会』に属しています。宏池会は創設者の池田勇人元首相にはじまり、大平正芳元首相、宮沢喜一元首相、現政権を支える木原誠二副官房長官、村井英樹首相補佐官など、旧大蔵省、財務省の出身者が多いんです。そのため、財務省の意向がほかの派閥より反映されやすく、岸田首相は簡単にトリガーを引ける環境にいないというわけです」(ベテラン政治記者)

 

 原油価格が下がる見通しはない。首相には、「いますぐトリガーを引いてくれ」と思っている国民も多いはずだ。

( SmartFLASH )

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