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「ビッグモーター」に続いて「グッドスピード」でも保険金不正請求疑惑…専門家は「保険料アップ」の可能性を指摘
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.23 21:00 最終更新日:2023.08.23 21:00
「ビッグモーター」に続き、同業の「グッドスピード」でも保険金の不正請求疑惑が明らかになった。8月23日、「グッドスピード」は、損害保険会社から過去の保険金請求について「調査協力」を求められていることを公表した。
「損保各社は『ビッグモーター』の不正請求を受け、同業他社でも同様の事案がないか調べています。その過程で、『グッドスピード』でも、過去の修理で保険金の水増し請求があったのではないかと疑われたのでしょう。
同社と取引関係にある保険会社は『あいおいニッセイ同和損害保険』『損害保険ジャパン』『三井住友海上火災保険』『東京海上日動火災保険』の4社と言われています」(事件担当記者)
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「グッドスピード」は、2002年に愛知県春日井市で創業。本社は名古屋市で、中古車販売のほか、新⾞販売、買取、整備、鈑⾦、ガソリンスタンド、保険代理店、レンタカーなどを経営している。
グループ全体の従業員は704名(2022年現在)で、年間売上は561億円、営業利益は10億円(2021年10月~2022年9月)。現在は東京証券取引所の新興企業が多い「グロース市場」に上場している。
相次ぐ自動車保険の不正請求疑惑だが、保険料などで自動車ユーザーに不利益はあるのだろうか。損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの長尾義弘氏に聞いた。
「もっとも影響が大きいのは等級のダウンによる保険料の支払いアップです。
たとえば、免責金額が10万円だったとします。修理の見積もりが10万円であれば保険を使わず修理しますが、20万円だったら保険を使うでしょう。
しかし、10万円は過大請求だったかもしれません。そうすると、本来、使わなくてもいい保険を使ったため等級がダウンして、次の契約から保険料の支払いがアップしてしまいます。
保険会社は、ビッグモーターでこうしたケースがあった場合、救済措置をとるとしていますが、どのように算定するか詳細は決まっていないようです」
ほかに「修理後の保険支払いの遅延は出るか」「保険金支払いの判断が厳しくなるか」など心配の声は尽きないが、長尾氏は「これらに対しては影響はないと思います」と言う。
実は、ビッグモーターが6月に公表した調査報告書では、《板金業界ではこれまでにも保険金請求に当たって、過剰な修理や実際に施工した工数以上の請求といったことは、業者の規模にかかわらず常態的に行われてきた》と記されており、今後、他社でさらなる不正請求が出てくる可能性がある。
本誌は調査内容について「グッドスピード」に問い合わせたが、8月23日18時までに回答までに回答は得られなかった。はたして、中古車業界の闇は、どこまで飛び火するのか――。
( SmartFLASH )